非鉄関連
1998年8月17日
[バックナンバー]

  1. 海外2銅事業計画を推進へ 伊藤忠商事非鉄部門

  2. 日本スペリア社が鉛フリーハンダを開発・発売

  3. 上期のフェロニッケル販売が3万トン大台割れ

  4. 97年度の粉末冶金生産量は8万7513トンと小幅減

  5. 今週の海外銅・アルミ相場とも低迷見通し



海外2銅事業計画を推進へ 伊藤忠商事非鉄部門


藤忠商事の非鉄金属部門(阿部忠雄取締役部門長)は、下期以降の課題として豪州ポートケンブラ銅製錬所(PKC)の操業開始とチリのアタカマ銅鉱山(旧エル・ブロンセ銅鉱山)開発に注力していく意向を明らかにした。PKCは来年6月から操業を開始するが、同社はこれに伴って、銅地金の販路拡大を積極的に展開する。アタカマ銅鉱山は日鉄鉱業とタイアップして2001年に銅精鉱年間10万トンの生産を開始する計画で、今秋現地側と正式に調印する。

 PKC(ポート・ケンブラ・カパー社)は、古河機械金属50%、日鉄鉱業20%、日商岩井17・5%、同社10%出資で設立され、電気銅年産能力12万トンの製錬所建設を進めている。同製錬所に出資している同社では本格操業に備えてアジア向けを中心とした銅地金の販売ルートの開拓を進めている。

 同社の場合、中国・金隆銅製錬所向け鉱石の供給と中国国内向け地金販売で実績がある。これは電気銅年産能力10万トンの中国最大の製錬所として昨年4月に操業を開始して以来、2年目に入るが、電気銅月産7000―8000トンと順調な操業を行っている。同製錬所に7・5%出資している同社は原料購入だけでなく、地金販売でも取り扱いを増やしている。このためアジア市場を中心に銅販売は厳しい状況であるが、PKCの操業に伴う新規の販路開拓には自信を持って対応していく構え。

 一方、チリの銅鉱山開発プロジェクトは同社にとって長年の懸案事項として取り組んできたが、いよいよ最終的な段階に入ってきた。

 アタカマ銅鉱山はチリ有数の企業グループで、傘下に自動車、流通、食品、鉱業等の子会社を持つエラスリス・グループの持株会社であるインベラス社60%(鉱山現物出資)、日鉄鉱業32%、同社8%の出資比率で推進する。

 総事業費は1億3100万ドルで、所在地はサンチァゴから北700キロメートルのチリ第3州の州都コピアポ市近郊にある。可採鉱量は約2000万トン(平均粗鉱銅品位1・51%)、生産量は粗鉱処理量で年間182万トン、粗鉱処理能力は日産5200トン、操業期間11年、生産方式は採掘法は坑内堀り、選鉱場は山元に設置する。

 同鉱山の鉱命は11年間と短期間のため、見直す機運もあったが、鉱区内に未探鉱地域も多く、鉱量、鉱命ともに今後増加の可能性が期待できるところから開発することになったわけである。同社としては銅資源の長期安定確保のためアタカマ銅鉱山開発プロジェクトを下期以降の重点課題の一つとして取り組んでいくことになったもの。


日本スペリア社が鉛フリーハンダを開発・発売


球環境保護のうねりが高まっている中で鞄本スペリア社(本社=吹田市江坂町1丁目16番15号NSビル、西村利郎社長)は、錫・銅系鉛フリーハンダ「SUPERIOR SN100C」を開発、販売に踏み切った。

 「SUPERIOR SN100C」は低コスト、高品質でディップ(ウェーブ)ハンダ付けができる画期的なもので、すでに大手電気メーカーで評価され量産段階に入っている。

 SN100Cは錫が主成分であるため、不純物の混入に対しても特性に変化が少ない。

 価格はこれまでの錫鉛共晶ハンダより約2―2・5倍高くなるが、貴金属を含む鉛フリーハンダ(錫―銀―銅系)よりも約50%コストダウンできる。

 そのうえ、従来の錫鉛共晶ハンダに比較して融点が44度も上昇するにもかかわらず、これまでと同じ生産条件で作業ができる。

 また、クリープ強度が共晶ハンダの10倍以上、ヒートショックも同等以上などの仕上がり品質を実現した。

 さらに、(1)電気抵抗が低く、電気特性・音響特性が向上(2)銅食われのスピードが約半分程度にダウン(3)ハンダ流動性が同等で従来の設備・環境で使用できる(4)比重が約12%軽くなった――など別表のようなはんだの信頼性・物性評価を得ている。

 同社ではこれまでの実装関連メーカーのテスト結果から、「SUPERIOR SN100C」が従来の錫鉛共晶に取って代わる実用的な鉛フリーハンダとして確かな手ごたを感じており、初年度売り上げ6億円を見込んでいる。

 すでに、同社では今年6月、米アイオワ州立大学エームス研究所と錫―銀―銅系3元共晶の鉛フリーハンダの製造販売でライセンス契約を結んでおり、リフロー用での対応を進めている。今回、ディップ用として「SUPERIOR SN100C」を販売したことにより、リフロー、ディップ両用体制(国内の市場構成はディップ9、リフロー1)を確立したことになる。

 ハンダクリーム、ヤニ入りハンダ、BGA用ボールハンダ、テープハンダなど各種形状の加工生産を、需要に合わせて津山工場を中心とした国内数カ所の拠点とマレーシア、台湾などの海外工場でも行っていく方針。

 なお、「SUPERIOR SN100C」のサンプル価格は、棒ハンダでキロ当たり1500円。


上期のフェロニッケル販売が3万トン大台割れ


ッケルメーカーの1998年上期(1―6月)と6月単月のニッケル受け払い実績がまとまった。それによると、暦年上期生産はフェロニッケル、ニッケル地金とも前年同期比を上回り、高水準を維持。ただし、販売はフェロニッケルが2ケタ減となり3万トンを割り込む一方、ニッケル地金はプラスを保つなど、違いが鮮明になった。主力の国内ステンレス向け需要低迷を受け、フェロニッケル販売は落ち込みを余儀なくされている。

 なお、フェロニッケルの輸出は、これら内需の不振や為替の円安のため、10%を超える増加を記録した。

 【98年上期】

 フェロニッケル生産は3万7498トン(前年同期比4・1%増)と底堅いが、販売は2万8623トン(同10・8%減)となり、国内ステンレス減産の影響を受けている。ただし、輸出は6090トン(同16・0%増)で、内需の落ち込みをカバーする。

 また、ニッケル地金は生産1万5854トン(同29・7%増)、販売1万7538トン(同6・6%増)で、それぞれ堅調に推移。電子材需要などが比較的しっかりしていることもあり、いぜんとして増加基調を維持する。

 【6月】

 フェロニッケルは生産58887トン(前年同月比6・9%減)、販売4750トン(同12・4%減)となり、販売が2カ月連続マイナスを記録するなど、足元の状況はいぜん厳しい。

 なお、輸出は1725トン(同46・8%増)で、一段と増加する傾向となっている。

 一方、ニッケル地金は生産2695トン(同296・9%増)、販売2732トン(同17・7%増)となり、ともに好調な数字となった。


97年度の粉末冶金生産量は8万7513トンと小幅減


本粉末冶金工業会はこのほど、97年度の粉末冶金製品の生産動向をまとめた。それによると、生産額はトータルで前年度比2%増の1324億3200万円となったが、昨年春に消費税が2%アップしているため実質横ばい。生産量は同0・4%減の8万7513トンと減少した。

 生産の内訳を金額ベースでみると、全体の7割を占める機械部品が同1・6%増の932億8800万円と微増だったが、軸受け合金は同11・3%増の176億6400万円と大きく伸びた。機械部品では輸送機械向けが駆動系とシャーシー系で好調だったものの、電気機械向けがエアコンのコンプレッサー生産ダウンで3割減少したことが響いた。軸受け合金では産業機械向けと電気機械向けが増えて、特にCD―ROM用スピンドルモーター軸受けや複写機など事務機向けが良かった。

 そのほか、摩擦材料は二輪車向けなどが順調に推移して同6・9%増の47億5200万円、電気接点は住宅着工減少などにより同2・4%減の71億4200万円、集電材料は新幹線需要を中心に同5・5%増の10億9700万円と伸びた。

 一方、粉末冶金用原料粉末の出荷量は鉄粉が同1・1%減の9万5337トンだったのに対し、銅粉はコンピューター向け軸受けが好調だったため、同7・8%増の5379トンと高い伸び率を示した。また、ステンレス鋼粉は量的に少ないものの、MIM用粉末が同17%増の1862トンと増加した。


今週の海外銅・アルミ相場とも低迷見通し


▽銅 =海外銅市場は、下放れ懸念が強まっている。市場の関心事は日本の為替(円安)動向だが、週明け17日には実習生問題で米大統領が証言することになっており、証言次第ではNY株式から銅相場への波乱も考えられ要注目。いずれにしろ、年初来安値(NY銅当限71・40セント、LME銅1572・50ドル)の更新が懸念される地合いだ。

 前週は、再びNY銅をリード役に続落した。小渕首相の所信表明も新鮮味がみられず、早急な景気回復は期待薄いとして、「円」が90年8月以来の安値である1ドル=147円台まで売り込まれたのをきっかけに世界同時株安へ発展、ファンド筋の失望売りを呼んだ。またLME在庫の増加もイヤ気され、12日にはNY銅が71・70セントと先月9日につけた11年ぶりの安値71・40セントにあと0・30セントと急落、LME銅も1600ドルと年初来安値に肉薄した。

 今週も、為替とこれに連動した株式次第となりそうだが、下振れ懸念が強い。日本の景気対策は生ぬるいとの評価だけに、大統領証言でドルが売られるか、通貨当局の腰を据えた協調介入がない限り、円安基調は変わらないとみられるため。

 ただ米大統領の証言は瞬間的にはドル安、NY株安となり、非鉄金属を揺さぶる要因になりかねないだけに要注目。

 一方、ケイ線面では7月下旬の反騰はダマシとなった結果で、逆にLME銅で1600ドル割れから年初来安値更新のあと、先行き1460―1500ドルゾーン、NY銅で70セント割れから66―68セントに続落する可能性も出てきたようだ。

 ▽アルミ=海外アルミ市場は弱もちあい圏内。依然1310―1350ドル(NYカーブ中値)のレンジとみられるが、僚品銅が為替(円安)がらみに急落不安を抱えて推移しているだけに上値は重い半面、下値関門の1310ドルを切れば1300ドル大台割れから、年初来安値更新につながることになり、下値に対する警戒が必要。

 前週は、僚品銅相場が続落したのとは対照的に週末にかけて小じっかりで推移した。銅と違い、LME在庫が表面上だけでも46万トンぎわへ減少傾向をたどっていることや、ケイ線上のサポートラインが1310ドルに控えており、この近辺まで値下がりするとファンド筋のショートカバーがみられ、銅よりも地合いは堅調とされた。

 もっとも、上値も1350ドルどころとなると戻り売りに押されることを考えると、今週も引き続き1310―1350ドルのボックス圏内での往来相場に終始しそうな見通し。しかし、銅が下放れ懸念を強めていることや、週明け17日の実習生問題での米大統領証言次第では為替や株式、ひいては非鉄金属全般への影響も考えられ、銅安に連動する場面も想定しておきたい。

 とりあえず、下値関門の1310ドルを死守できるかがポイント。切れば再度1300ドル割れから早晩、年初来安値(7月9日1285ドル)を塗り替えるか。





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