銅
条およびリン青銅板・条は足元のおう盛な受注動向から来年3月まで高水準生産で推移する見通し。板・条メーカーはY2K問題によるユーザーの在庫積み増しがクリアした後の「調整」を懸念しているが、各社ともキャパ以上の受注残を抱えこんでいるため10―3月の6カ月間、ハイレベルな生産に取り組むことになる。これらの需要動向としては、銅条が半導体向けリードフレーム材、リン青銅板・条は情報通信向けコネクターなど主に電子材として活況を呈している。
板・条メーカーによると、足元では1カ月以上から2カ月分に相当する受注残を抱え込み、いまのところほぼこれまで同様のペースで受注が入っている、という。
ここ1年間の月別生産推移は、3月以降、立ち上がり始めた後、その月の操業日数によって若干の増減が見られる程度。
特に銅条の場合、6、7、9月の3カ月間、1万9000トン台で、今後の操業次第では11月にも2万トンの大台乗せとなることも考えられている。
また、リン青銅板・条の場合、3月以降、4000トン台をキープし、一時は5000トン台をうかがう場面も見られた。各社の操業状況によっては銅条と同様に大台を奪回しそう。
銅条、リン青銅板・条とも97年9月および10月に過去最高を記録しているが、両品種とも2年前と比較してユーザーから薄肉化を求められているため、圧延工程回数が格段に増えているため記録を更新するまでには至らないようだ。
工
業用貴金属製品を手掛けるフルヤ金属(本社=東京都豊島区南大塚、古屋社長)はこのほど、液晶ディスプレー(LCD)の薄膜形成に用いるスパッタリングターゲット材で新製品を開発した。開発したのはLCDの反射膜や配線材に用いる銀合金ターゲット材と、透明導電膜向けの酸化インジウム系ターゲット材の2製品。ともに既存製品の代替品として開発されたもので、今後の需要増が期待される。銀合金ターゲット材は昨年末から出荷しているが今後も積極的に拡販、酸化インジウム系ターゲット材は12月から本格販売に踏み切る予定だ。
フルヤ金属は廃棄された貴金属から分析用器具やルツボ、貴金属化合物材料などを製造するメーカー。従業員は約120人。昨年10月には製造拠点のつくば工場(茨城県下館市)内に研究開発センターを設立、スパッタリングターゲット材を柱とする薄膜材料事業の規模拡大に注力している。
開発した銀合金ターゲット材は銀―パラジウム―銅の3元合金で、LCDの反射膜および配線材に用いられる。そもそも、このターゲット材はコンパクトディスク(CD)の反射膜向けにソニーと共同開発したものだが、同社がLCD用途に独自改良を加えた。
配線材としての特徴は透明導電膜であるITO(インジウム・スズ酸化物)薄膜上に直接、配線層を形成できる点。現在主流のアルミ系配線では酸化などの問題からバリア層が必要だったが、銀合金はその心配も無いことからバリア層が不要。このため、コンタクト抵抗の大幅低下が可能になり、LCDの消費電力を20―30%ほど減らせる効果がある。反射材として用いる場合は95%以上の高反射率を実現できるという。
一方、来月から製品出荷を計画中の酸化インジウム系ターゲット材は、既存のITOターゲット材よりも低抵抗であるうえ、結晶粒の大きさを4分の1まで微細化した製品。同ターゲット材の具体的な成分は明らかにされていないが、相対密度は99%の高密度品。従来のITOターゲット材で薄膜を作る場合は厚さ0・4マイクロメートル程度を必要としていたが、今回の新製品は膜厚を半減でき、使用効率の大幅向上が見込める。また、それに伴って透過率も向上させることに成功した。
価格は酸化インジウム系が従来のITOターゲット材と同等。銀合金ターゲット材はアルミ系などと比較すると割高になるが、同社では「製品の長寿命化を図ったうえ、完全リサイクル体制を敷いているのでコスト的には対抗できる」としている。LCD業界はノートパソコンやモバイル機器向けに活況を呈していることから、同社では今回の新製品を新たな収益の柱に育成していく方針だ。
日
本アルミは18日の中間決算発表の席上、繰越損失の早期解消などを骨子とした経営戦略を打ち出した。
同社は9月末現在で22億3000万円の繰越損失を抱えており、「出来れば平成13年の創業100周年までに一掃したい」(志水専務)というもので、繰越損一掃のために今後、経常利益率2・5%達成を課題に人件費を含むさらなる全般のコストダウンを実施する。
同時にビル建材、生活用品事業の採算好転を図るための施策を実施するほか、平成7年から開発、自治体向けなどに拡販を行っている汚泥処理システムなど新規事業についても「環境プラントメーカーとの業務提携なども視野に入れながら、存続か否かなどの見極めを行っていく」(同)計画。
併せて、財務体質の健全化として、(1)不要棚卸資産の売却(2)リードタイムの短縮による仕掛品の削減(3)購入費の圧縮を行うとともに、来年3月末をメドに住友軽金属工業への第三者割当増資による資本の増強を実施(詳細は12月中旬までに詰める予定)する。
さらに、ユーザーニーズにマッチした新製品の拡販という観点から、電子機器用の高密度ハイフィンヒートシンク、安全ブース、医薬品粉末検査機など戦力商品のさらなる拡販を目指す方針。
金
属材料技術研究所はこのほど、これまで加工が困難だった耐熱性金属間化合物「ニッケル3アルミニウム」を冷間圧延し、厚さ100マイクロメートル以下の箔を製造することに成功したと発表した。ニッケル3アルミニウムは高温になるほど強度が増大する特徴がある半面、非常に脆くて加工ができないのが欠点だった。今回の成功でハニカム構造など複雑な形の軽量耐熱構造体の製造が可能になり、ジェット機や自動車などのエンジン部品への応用が見込めるという。
今回の成果は同研究所および日本クロス圧延、日鉄テクノリサーチの共同研究によるもの。ニッケル3アルミニウムは通常の金属材料と異なり、セ氏800度までの高温になると強度が増す特徴がある。セ氏800度の場合は室温の時に比べて約5倍の強度が得られることから、これまで耐熱材料として有望視されていた。だが、ニッケル3アルミニウムは室温でも結晶粒界が破壊する欠点があるので箔の製造が難しく、これまで厚さ800マイクロメートル以下の薄い箔の製造は不可能とされてきた。
これに対して今回の研究では、1方向凝固を行うと脆さの原因である結合力の弱い不規則結晶粒界が、結合力の強い特殊な凝固組織に変わることに着目。1方向で凝固した厚さ2ミリ、幅9ミリ、長さ130ミリの板を実験に用い、室温で4段ロールしてから超硬ロールで圧延。その結果、最高で厚さ55マイクロメートルまで圧延できることが確認されたという。
冷間圧延したこの箔は加工硬化しているものの、薄くて弾性があるので複雑形状の加工が可能。このため、ハニカム構造やコルゲート構造などに組み上げることができ、将来はジェット機や自動車などのエンジン部品に適用が期待される。なお、高温下での使用についてはセ氏1300度でも脆くならないことが確認されている。
|
亜鉛建値3000円上げ16万2000円に 三井金属
|
三
井金属は19日、11月積みの亜鉛建値をトン当たり3000円値上げして16万2000円にすると発表した。今月の平均建値は16万100円となる。
19日入電のLME亜鉛セツルメントは1151ドル、円換算12万3502円、関税4300円を加えて12万7802円、諸掛りを3万4198円とみている。
これにともなってダイカスト用亜鉛合金も3000円値上げした。新価格はZACbP=20万円、同bQ=21万円、ZAS=22万円。
三
井物産と丸紅の99年度上期非鉄部門売上高は前年度同期に比べて三井物産8・5%増加、丸紅37%の大幅減少となった。
この結果、公表された大手商社7社(三井物産、住友商事、日商岩井、丸紅、伊藤忠、トーメン、ニチメン)の非鉄部門売上高では三井物産を除き6社が前年度同期を下回ったことになる。
三井物産の場合、「ノンフィジカルな売り上げが増えた」ことが増収につながったとしている。形態別で全体の3割を占める国内取引が96%の大幅増加となり、輸出も微増した。一方、5割強を占める海外取引は7%減、輸入は16%減となった。商品別では白系その他と貴金属が増加、主力のアルミと銅は減少した。
丸紅の場合、「量から質への転換」もあって代行業務や不採算部門の撤退から37%の減収となった。形態別では国内、輸入を中心に減少、とくに国内取引は74%の激減となった。商品別では主力のアルミ、銅を中心に白系金属、貴金属も減少した。
日
本銅センターは19日、金谷浩一郎同和鉱業社長の会長就任を決めた。同日の臨時総会で、青柳守城理事(会長)の辞任にともない金谷氏を理事に選出、引き続き開催した理事会で会長就任を決めた。
カ
ナレ電気(本社=愛知県愛知郡長久手町、川本公夫社長、資本金10億4700万円)は、韓国・ソウル市に通信用のケーブルおよびコネクター、ハーネス製品を販売する全額出資の新会社を今月11日付で設立した。
新会社は、「カナレコーポレーション・オブ・コリア」。資本金は4億5000万ウオン(4153万円)で、役員は会長(非常勤)に川本公夫・カナレ電気社長、社長(同)に瀬良裕・同海外営業部海外営業課長、常務に李起東氏が就任。このほかに現地スタッフ4人。売上高は初年度1億5000万―2億円、3年後3億―4億円の見込み。
韓国では放送業界のデジタル化投資や、サッカースタジアムをはじめとする大型建設物件が増加し、将来的にも音楽ホール、文化会館、会議場などの建設需要が見込まれている。同社の同国向け輸出実績は98年度5000万円と順調に伸びており、今後も需要の拡大が見込まれるため、新会社による密着型販売を展開することにした。
新会社の扱い製品は、放送・電設向け同軸ケーブル、スピーカケーブル、およびコネクター、ハーネスなど。新会社は米国、香港に次ぐ第3の海外拠点となる。
|