鉄鋼関連
1998年3月4日
[バックナンバー]

  1. 東京鉄鋼4カ年の中期経営計画

  2. 大同特殊鋼・大同アミスターが金型の新熱処理法

  3. 関東大手商社小棒懇が3月末で解散

  4. 住友金属、画像処理LSI部門で2新製品

  5. 神戸製鋼のケーサーロボット売れ行き好調

  6. 継目無鋼管輸出市場の現況…斎藤・NKK部長

  7. 5月に対韓投資環境調査団派遣

  8. 大阪地区の小棒市況、需要減少でジリ安



東京鉄鋼4カ年の中期経営計画


京鉄鋼(本社=東京都千代田区、吉原毎文社長)は、98年4月を起点とする4カ年の「中期経営計画」を策定した。付加価値製品であるネジ・加工品を拡充すると同時に、コストを引き下げ、要員も自然減と外注削減で500人弱の体制として、2002年3月期には売上高が400億円、経常利益では31億円を目指す。なかでも戦略商品であるネジ・加工品は現状の倍増とする計画。

 今期の業績予想は売上高が313億円、経常損失が21億円と、主力の小棒の環境悪化に伴い苦戦が続いている。計画では99年度までの2年間で赤字から脱却して黒字化、2001年度までのその後で安定経営体質を構築する。

 市況に左右されることなく恒常的な利益を確保するためには、主力の小棒の生産・販売の大きな伸びは期待できないことから、付加価値商品であるネジふし鉄筋「ネジテツコン」とその周辺商品を拡大する。同時に97年夏の要員640人(外注含む)を、計画の最終年度には自然減と外注削減で500人弱にする。コストの見直しにも着手する計画だ。

 現在のネジ・加工品営業部の要員は土木課9人、建築課8人、管理課18人、技術課7人、大阪営業所6人、それに昨年12月1日に新設した市場開発室3人の合計51人。96年度の売上比率は建築が70%、土木が20%強、大阪が10%弱だった。今期は売り上げが前年度比10%強の増加で約80億円(経常利益2億円弱)となり、売上比率は建築が50%、土木が30%、大阪が20%となる。土木と大阪の伸び率が高いため、これを重点的に拡充する。

 大阪は昨年からの中山鋼業での委託生産の効果が出ており、今年度から本格化する。土木では地下駐車場や鉄筋連壁など地下構造物への使用が増加している。これに建築向けを加えて、1人当たりの効率を上げ全体的に拡充する。さらには、阪神大震災の影響による橋脚補強への使用も増加している。今後はアンカーボルトや鋼管杭への使用も検討していく。

 今期のネジテツコンの月間平均販売量は7000トン。これを98年度には月間平均8000トン、年度末8500トンに引き上げ、売り上げ87億円、経常利益6億円弱を目指す。99年度は月間平均9000トン、売り上げ103億円、経常利益10億円弱。2000年度は月間平均1万1000トン、売り上げ119億円、経常利益13億円。2001年度は月間平均1万3000トン、年度末には1万5000トンと現状の倍増、売り上げ125億円、経常利益19億円(PC関連と合わせて24億円)とする計画。

 一方、全社の業績計画は98年度が売上高330億円、経常損失3億円。99年度は売上高350億円、経常利益13億円。2000年度は売上高360億円強、経常利益22億円。2001年度は売上高400億円、経常利益31億円。

 このうち小棒は98年度が売り上げ231億円、経常損失9億円。99年度は売り上げ240億円、収支トントン。2000年度は売り上げ240億円、経常利益6億円。2001年度は売り上げ250億円、経常利益7億円と大きな増加を見込んでいない。


大同特殊鋼・大同アミスターが金型の新熱処理法


同特殊鋼と同社グループ企業の大同アミスター(本社=大阪府、長谷川義彦社長)は、共同で金型用低歪み・高靭(じん)性の特性向上が図れる熱処理法「Amistar・HIT法」(AHIT)を開発、3月1日から販売(熱処理受託)を開始した。段階的に冷却する多段冷却による特殊冷却コントロール焼入法によって、熱処理時の歪みを極力低減、さらに金型材質も靭性を1・5―2倍に高められる。

 これらの特性向上によって、金型製作で仕上げ加工工数を、エンジン部品のアルミダイカスト用金型で40%短縮や、金型寿命が2倍に延びるなど、納期短縮やコスト低減が実現できる。ダイカスト型など金型全般を対象とし、材質もSKD61や熱間、冷間ダイス鋼全般に適用可能だ。

 大同アミスター相模工場(座間市)に専用設備(冷却装置)を設置、関東から販売を始め、10月には名古屋、太田(群馬県)の両工場でも体制を整え、展開を拡大、年間1億5000万円の売り上げを目指す。

 開発された「AHIT(エイヒット、Amistar High Impact Value Treatment、高付加価値熱処理法)」は、多段冷却による特殊冷却コントロール焼き入れによって、金型の熱処理歪み低減と長寿命化を具現化させた。同熱処理によって、金型材質本来の特性をより発揮できる。

 従来の衝風冷却焼入法と比べ、歪みを約半分に抑え、金型仕上げ工数を大幅に短縮。アルミダイカスト用金型では工数を約40%短縮できた。靭性も衝風冷却焼入法と比べ1・5―2倍に高められ、ヒートチェック(割れ)発生などが改善され、金型寿命が延長できる。また、これまで人に頼っていた品質管理をシステム化。実体温度監視、実績収集・評価をシステムとしてパソコン構成、信頼性を高めた。金型重量は最大1トン、長さは最大1メートルで、金型材質はJIS鋼種のほか、DH21、31など大同鋼種や他社材でも応じられる、

 今年10月までに相模、名古屋、太田の3工場で体制を整備、事業展開を広げていく。


関東大手商社小棒懇が3月末で解散


東地区大手商社小棒懇談会(代表幹事=田邊寛隆・三菱商事鉄鋼建材事業部長代理)は3月末で解散し、30年間の歴史に幕を閉じる。2日に開いた月例会議で解散する方向が固まった。3月30日の会議で正式決定する。会の役割はほぼ達成しているうえ、現状では機能も低下、会の存在意義がないという判断に至った。

 同会は69年に設立、小棒市況などの懇談の場として小棒の安定取引のための機能を果たしていた。しかし、最近では「市況の弱気を確認するだけの場となっており、市況に対するデメリットが大きい。会で決めた約束ごとも守れないため、時代の流れのなかで存在意義がないという意見が多い」(関係者)という状況になっていた。

 このため、解散の方向で具体的な検討に入ったが、大勢は「解散もやむなし」という見解。3月末の定例会議で正式に解散を決める予定。

 同会は小棒を扱う関東地区の商社16社で組織する。代表幹事は田邊寛隆・三菱商事鉄鋼建材事業部長代理。副代表幹事は井上佳男・三井物産条鋼建材部長代理、古市健治・丸紅鉄鋼建材条鋼部長、平本淳・伊藤忠建設鋼材棒鋼部棒鋼課長の3氏。


住友金属、画像処理LSI部門で2新製品


友金属工業は、画像処理LSI事業拡大の一環として、3月に高機能・低価格の2製品の販売を開始する。これにより98年度のLSI事業の売り上げを20億円と倍増させるとともに、2000年度には50億円を目指していく。

 新製品は、画像データの拡大縮小、情報の蓄積、周波数の変換の3機能を1チップで行うことのできる解像度変換LSI「IP00C701」と、画像情報の出入力を制御するフレームメモリーコントローラーLSI「IP90C65」の2製品。

 「IP00C701」は、入力画像の画像データサイズ、転送レート、フレームレートを変換して画像出力する。画像データの拡大縮小、蓄積、周波数変換を1チップで行えるのが特長で、業界初の新製品。液晶モニターや液晶データプロジェクタープラズマ・ディスプレー・パネルなどに使用される。3つの機能を1チップで行えるようしたため、従来これらの機能を満たすには1万円程度かかっていたシステム費用が、7000円程度で済むという。

 フレームメモリーコントローラーLSI「IP90C65」は、画像情報の出入力をコントロールするLSIで、EDO―DRAMを使って画像を蓄積する。デジタルカメラ、シートプリント機、業界用ゲーム機、カーナビゲーション、プリンターバッファ向けなどに供給する。1画面のメモリーにこれまで7000―1万3000円かかっていたが4000―4500円で済む。

 「IP00C701」は近くサンプル出荷を開始し、今夏から本格生産に入る。また「IP90C65」はすでにサンプル出荷を開始しており、3月から月間数万個の生産を開始する。

 住金は多角化事業の一環として91年に画像処理LSIを開発、LSI事業を展開しているが、新製品の投入により、98年度20億円、2000年度には50億円の売り上げを目指していく方針。


神戸製鋼のケーサーロボット売れ行き好調


戸製鋼所の開発したケーサーロボット「バイラトロンジュニア」は製品の箱詰めからトレイ詰め、さらに箱からの取り出し作業を行う自動化・省人化ロボットとして売れ行き好調だ。

食品や薬品の製造工場など厳しい衛生管理が求められる工場での引き合いが多く、昨秋の販売開始から既に数件の納入実績がある。現在の引き合いは約60件。自動化・省人化へのニーズは高く販売目標は年間100セットを見込んでいる。

 同製品は、これまでロボット化が難しいとされていた箱詰めや箱から取り出す作業を自動化した。1台で2人分の処理能力を持ち、冷凍食品など袋物、びんや缶類、石鹸、洗剤など形状が不安定なものでも対応できる。コンパクト設計で既設ラインへの導入も容易。ハンドは、高速で供給される軽量物から、びん缶などの重量物までさまざまなワークでの利用が可能となる。

 取り扱いについては、32ビットコントローラーを採用しコンベヤーなどの周辺機器を1つのコントローラーで制御。エラーメッセージ機能によってトラブルが発生しても瞬時にエラー個所を特定でき復旧作業が素早くできる。

 また同シリーズに合わせて「ジュニアインケーサ(箱詰めシステム)」も販売している。据え付け調整が2日ででき、既存の製函機や封緘機をそのまま活用できる設計となっている。

 システムの標準販売価格は、ロボット本体、コントローラー価格のほかにハンド・ソフト、据え付け費用などを含め1400万円(40RMの場合)。今回の同シリーズのラインアップで包装から搬送、入出荷までの一貫システムとして提案している。

 問い合わせは、同社のFA・ロボット本部ハンドリングシステム部電話03―(5634)―5073。


継目無鋼管輸出市場の現況…斎藤・NKK部長


界の継目無鋼管市場は、ミル間の企業提携、合併など国境を越えた世界的な再編の動きが具体化してきた。昨年秋、NKKはアルゼンチンのシデルカ、メキシコのタムサ両社と継目無鋼管の製造・販売提携に踏み切った。斎藤敬陽・鋼管第2営業部長に、継目無鋼管を中心とする鋼管輸出市場の見通しと戦略などを聞いた。

 ――原油価格が値下がりしているが、継目無鋼管市場の現状から。

 斎藤 原油価格はドバイ原油で12ドルまで下げているが、米国のリグカウントはひところの1000基を割っているものの、900台の後半を維持しており、掘削活動は落ちていないし、引き合いも減少していない。原油の値下がりが続いた場合、年後半からの推移に不安はあるが、それほど心配はしていない。

 ――というと。

 斎藤 世界的に、クリーンエネルギーである天然ガスの開発・掘削意欲が高まっている。天然ガスプロジェクトは掘削から供給に至るまで長期計画のもとに進められ、かつガスの供給先が決定しているケースが多いため、需要変動の幅が小さい。輸送面も含めて安定供給の要請がきわめて強く、高水準の製品が要求される。これに強みをもち生産能力も大きい日本ミル―納入責任感も強い―に発注される傾向が強いと思う。当社は大径管(UO鋼管)のロールが今年度上期まで埋まっている状況です。

 ――NKK、シデルカ、タムサ3社提携の目的は。

 斎藤 当社が高級グレード品を中心に、テチントグループ傘下のシデルカとタムサ両社が一般炭素鋼を中心にそれぞれ生産し、相互に供給補完を行うものです。3社がその得意分野を特化して対応するということです。当社の特殊ネジ(商品名=NK3SB)のライセンスを両社に供与して、普及を図ることも目的です。

 ――3社提携のほか、住友金属工業とBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)の全世界を対象とした油井管供給の長期包括契約の締結や独・マンネスマンと仏・バローレックの合併など油井管業界が変動している。

 斎藤 オイルメジャーの間では資材調達の安定化や、入札購買に要する経費の削減などリストラの一環として、資材を1社から安定的に大量に購入しようという姿勢が強まっている。世界のオイルメジャーを相手にして、ミル間でも国境を越えたアライアンス(企業提携・統合)が進む見通しが強いと思う。1社購買の動きに対してミル1社では、生産能力の不足ばかりでなく、研究開発や設備投資に対応しきれなくなるという面がある。今後は共同のストックヤードの建設などの動きも考えられる。


5月に対韓投資環境調査団派遣


国への投資を促進するため、藤村正哉・三菱マテリアル会長を団長とする対韓投資環境調査団が5月上旬派遣される。通産省が音頭をとって具体化に乗り出しているもので、鉄鋼メーカー、非鉄メーカーなど100社が参加する。韓国政府や現地の銀行、各産業団体を訪問して実情を調査する。

 韓国は、ウォン安、株安で全上場企業の株式評価額が415億ドルまで低下しており、欧米の企業が一斉に韓国企業への資本参加や買収交渉に乗り出している。

 大手企業の買収劇ではロイヤル・ダッチシェルが韓火エナジーの買収交渉を始め、GM、ロバートボッシュの万都機械買収、チェースマンハッタンの第一銀行への資本参加など大型案件が20件以上進められている。

 こうした欧米企業の対韓投資に対し日本企業は全く出遅れており、韓国政府が具体的に出資提携を要請するケースも出ている。これを受けて、日本からも対韓投資環境調査団を派遣することになった。韓国政府の法的な対応や規制の範囲、業種別の投資環境など具体的に調査する。

 すでに韓国政府は、2月末までに外国人投資誘致促進総合対策を指示。税制支援拡大、金融支援、規制緩和、労働法改正、工場用地および土地関連規制緩和などが具体化している。特に外国資本にとっては、労働法改正による整理解雇制度の導入、土地所有の緩和などは魅力があり、欧米企業の参入の活発化を誘っている。

 日本企業は、為替の動向が不透明であることや、過去の韓国進出があまりうまくいかなかった経緯などがあり、消極的な姿勢が強い。このため、今回の対韓投資環境調査を契機に、具体的な投資を促進させる。


大阪地区の小棒市況、需要減少でジリ安


形棒鋼は需要後退が続いており、引き続きジリ安展開。市況は2万9500円どころ。

 建築需要は一向に盛り上がりを欠く。銀行の貸し渋りなどで予算がつかず、着工が先延ばしとなる物件が多い。期近の物件も少なく、商社筋の成約量は通常月の半分と、取引量が格段に少ない。

 ゼネコンは厳しい指し値を展開しており、商社筋が安値受注を行っている。ゼネコン売りでは2万9000円。特約店向けには2万8500円の安値も見られる。また、ベースサイズと比較して細物の安さが際立つ。昨年の東京製鉄の攻勢が遠因で、市況はベース換算2万8000円中心。

 電炉各社は自然減産を余儀なくされているが、当面、市況は値下がり気配。







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