欧
州、米大陸、アジアなどで鉄鋼事業を展開するオランダのイスパット・インターナショナル社は、全米第6位の高炉、インランド・スチール・カンパニーを買収する。イスパット社は、メキシコにイスパット・メヒカーナ社、カナダにイスパット・シドベック社を持ち、今回の買収契約が完了すると、北米全域を完全にカバーする。1997年のイスパットおよびインランド社の鋼材出荷合計は1250万トン、売上高は46億ドルで、世界第8位の鉄鋼グループが誕生する。
これはイスパット社とインランド・スチール・カンパニーの親会社、米インランド・スチール・インダストリーズ社の両社が17日に発表したもので、買収額は14億3000万ドル。内訳は普通株6億5000万ドル、優先株2億3820万ドル、借入金負担5億3860万ドル。買収計画は両社の取締役会で承認済み。契約は第3・四半期内に完了する予定。契約完了後、インランド・インダストリーズ社は鉄鋼流通事業部門、ライアソン・タル社などの経営に専念する。
インランド・スチール・インダストリーズ社のR・J・ダーナル会長、社長兼CEOはイスパット・インターナショナル社の北米事業(メキシコ、カナダを含む)部門トップに就任、インランド・スチール・カンパニーのD・E・ウイアスブ社長兼COOは現職にとどまる予定。
イスパット社は99年までにインランド・スチール・カンパニーの鋼材出荷を97年の年間550万トンから600万トンに引き上げる方針を明らかにするとともに、続いて他の米鉄鋼ミルを買収する可能性も示唆している。
なお、米国の鉄鋼業界関係者は、今回の買収計画発表を「インランドはこれまでにも吸収・合併候補として名前が挙がっていた」「イスパットのこれまでの動きを考えれば、さほど驚くことではない」「短期的に市場に変化が生じるとは思えない」などと冷静に受け止めている。
その一方、多くの関係者が米国鉄鋼業界の再編本格化の可能性を指摘しており、「業績が急回復している全米第4位の高炉、ナショナル・スチール社が、次のターゲットとなるだろう」といった声も聞こえてくる。【ニューヨーク支局】
三
菱商事は18日、日本国際協力機構とウジミナス社との合弁で、ブラジルにブランキング加工を含む自動車用鋼板のコイルセンター建設を開始したと発表した。総所要資金は約30億円で、ウジミナスが資本金800万ドルの70%を出資し、残額は三菱商事と日本国際協力機構で出資する。稼働開始は99年後半で、加工量は年間12万トンの予定。日系では初のコイルセンターになる。
ブラジルのウジミナス社は、かねてブラジルの自動車メーカーの生産急増に伴う顧客サービス強化の一環として、自動車用専用の鋼板サービスセンターの新規建設を準備していた。このほど3社が合弁条件で合意して建設にこぎつけた。工場所在地はフォルクスワーゲン、GMなどがあるパライバ地域のタウバテ市で既に整地作業など開始済み。
事業主体のリオネグロ社は三菱商事が1972年以来経営していたが、93年にウジミナスが60%資本参加して経営権を譲渡済みのもの。今回の事業内容は、自動車用鋼板コイルのブランキング加工・レベラー加工・洗浄などで、ジャストインタイムで納入する。9000平方メートルの大型建屋を新規建設し、ブランキング設備・レベラー設備などを持ってフォルクスワーゲン、GM、フォード、ホンダなどに納入する。また、同センターは、ウジミナスが新日本製鉄と合弁で建設中の亜鉛鉄板工場の鋼板コイルの加工・販売の受け皿としても位置付けられている。
一方、日本国際協力機構では、これまで主としてアジア・東欧諸国に合計40件の投融資案件を実現したが、昨年来、南米、特にブラジル向けに種々の投資事業育成に努力中。同機構では投資に参加するだけでなく、事業の資金調達に協力して公的資金を含む内外の低利融資を斡旋するほか、マーケット調査のために伯国勤務経験豊富な担当者を昨年から数回派遣して、取りまとめに協力している。
新
日本製鉄など高炉大手5社は18日、98年春闘要求について、各企業連組合に対し一斉に回答した。
これに対して、鉄鋼労連はおおむね評価する見解を示しており、単産ベースとしては国内初の「複数年協定」方式により、事実上決着した。
ベアは98、99の両年度とも1500円(勤続17年、35歳標準労働者ベース)。97年度実績に比べて500円プラス(別途定昇=3600円)。要求は両年度も同額の5000円アップ。
単年度交渉の一時金は、神戸製鋼を除き97年度実績比プラス5万円を回答。新日鉄で144万円(夏・冬、各72万円)、NKK・住金工・川鉄の3社は140万円に。神鋼は2万円増の129万円にとどまった(要求は150万円)。
時短に関しては、「4年間4日増」の要求に対し、「2年間1日増」(99年度実施)の回答。「交代手当の増率要求」については財源難から見送りとなった。
退職金は、20万円増の1570万円(60歳、勤続37年、一部は99年完全実施)となる。
日
鉄商事は4月から、H形鋼販売を置き場で3万6000円、持ち込みで3万7000円を下限に売り腰を強める。3月中は持ち込み3万6000円を下限とし、3万5000円以下の安値販売を一掃していく方針。さらに5月からは置き場3万7000円、6月は同3万8000円を目指す。
東京地区のH形鋼市中在庫は、新日鉄の「ときわ会」調べで2月末が6万3500トンと2年前の夏場の市況反騰時と同レベルになってきた。特約店からの申し込みも低レベルで推移しており、在庫圧迫感は解消しつつある。同社では需要は少ないものの、市況底入れの環境が整ったとの判断で、唱えを引き上げ、段階的に採算回復を狙う構えだ。
関東地区では日鉄商事、三菱商事、川鉄商事、阪和興業の4商社が約3万トンのH形鋼在庫を保有しており、日鉄商事だけでも約8000トンを抱えている。日鉄商事が売り唱えを引き上げたことで、特約店の追随は必至で、H形鋼を取り巻く環境にようやく好転の兆しがみえてきた。
住
友金属建材は、高速道路や高架鉄道などの高架橋の裏面に設置して、交通騒音の反射音を低減する「高架裏面吸音板」を開発、震災で倒壊した阪神高速道路などに採用されている。
高速道路や鉄道は生活になくてはならないものだが、これら道路や鉄道が高架になっており、しかも高架下が道路になっている2層構造の場合、下層道路の交通騒音の反射音や高架自体の振動音、上層の交通騒音が大きな問題となっている。このため交通騒音低減のための高性能の吸音板の開発が待たれていたが、住友金属建材の「高架裏面吸音板」は、こうしたニーズに適応するものとして注目されている。
「高架裏面吸音板」は、吸音材にグラスウールを使用、パンチング加工したアルミ板またはステンレス製パンチングメタルで外装し、形状はU型とフラット形状のF型、W型の3種類がある。サイズは長さが1990ミリ、幅が300―500ミリ。これを高架の裏面に連続して張り付け吸音する。
特徴としては、(1)吸音性能0・9以上の高性能(2)足場兼用型でメンテナンスが容易(3)取り付け工法にバネ方式を採用、耐振動・施工性に優れている(4)耐食・耐久性に優れている(5)都市景観にマッチした3形状を開発――など。
吸音性能については、下層道路の騒音に対する平均斜入吸音率は0・9以上で建設省技術評価制度の基準値をクリアしており、3型とも平成7年度の建設技術評価「騒音低減効果の大きい吸音板」の評価を受けている。とくにW型の平均斜入吸音率は0・96と下層道路のほとんどの騒音を吸音する。
また、高架下面と吸音板の間に高さ3メートル(桁下は60センチ)の空間があり、橋桁や橋脚の補修などが安全かつ経済的に行える、足場兼用型の吸音板になっている。
吸音板の取り付けは振動音の原因となるボルトを使わず、バネを使うボルトレス工法を採用している。バネ方式は受け梁(H形鋼)の下フランジに乗せ、スペンサーではめ殺しした上、上フランジとの間にバネを挿入固定する方式で、振動による緩み防止と施工性に優れている。
主要部材はアルミ、ステンレス、亜鉛めっき材を使用し、耐久性は20年保証となっている。
この「高架裏面吸音板」は、震災で倒壊した阪神高速の復旧工事で採用され、その吸音性能の高さが高く評価されている。
建
設工事の減少で鉄筋加工業者の受注単価が下落している。加工組み立てや運搬費などを含む受注単価は、関東地区で5万円を大きく割り込んでいるほか、西日本でも中国や九州・福岡などが4万円台に突入している。神戸の復興需要で最も高値にあった関西でも工事量の減少で、昨年比3000―4000円安の5万5000―5万7000円と急落。全国最安値の北海道や長野では4万円を切る工事もあり、鉄筋加工業者では「このままだと会社が立ちいかなくなる」と悲鳴が上がっている。
鉄筋加工業の全国組織である全国鉄筋工事業協会がこのほど集計した資料によると、全国の受注単価は昨年10月比でおおむね2000―3000円下落。北海道や長野など値下がり幅の大きい地区では5000円も下押している。業者の稼働率も90―100%から70―90%へと落ち込み、特に今年に入ってからの仕事量減少が著しい。公共工事縮減による各自治体の緊縮財政や金融不安による民間建設の冷え込みが大きく響いている。
特に6年越しの冬季オリンピックが終わった長野地区は仕事量が急減。受注単価は4万円と全国最安値。県内業者の稼働率は60%まで落ち込み、「廃業に追い込まれる業者も出ている」(地区業者)という。
北海道地区も北海道拓殖銀行の破たんで経済が混乱、道内業者の稼働率は50%と落ち込んでいる。道内の受注単価は2極分化しており、「特に札幌圏が安く4万円を割るものも出ている」(道内業者)。また、神戸の復興需要が一巡した関西も今年に入ってから受注競争がし烈となり、「元請けが強気で指し値が厳しくなっている」という。
こうした大幅な単価下落に業者は、従業員の福利厚生を切り詰めざるを得ないところまで追い詰められており危機的な状況に陥っている。
環
境エンジニアリングの日本海交易(本社=金沢市山王町、中村吉男社長)はこのほど、廃タイヤゴムを粉末化し、これと廃プラスチック粒を原料にゴムシート化する技術の開発に成功した。この廃タイヤゴムシートは、紫外線に破壊されにくい素材性能により、農業・建築・土木の各資材など幅広い産業分野での用途が見込まれる。最近までに水田耕作地の雑草防除や水漏れ防止に大きな効果も実証された。これを契機に同社は、リサイクル事業本部を設置し北陸3県(福井県、富山県、石川県)での代理店設置に次いで、全国代理店組織づくりにも着手。廃タイヤのリサイクル回収・製造・販売体制を構築しつつ、10年後をメドに1000億円規模の市場を確立していく計画。
この廃棄タイヤリサイクル粉末生産システムは、通産省中小企業創造活動促進法認定事業として期待されており、いくつかのリサイクル製品で実証試験も行われて好データをあげつつある。実用化した廃タイヤ・再資源化製品作りの製造工程は、常温システムで実施でき、廃タイヤからビードワイヤ除去を行うと同時に、ゴムチップ化を図る。さらにスチールワイヤとナイロンコードを除去して、細粒・粉末化(粒径1・5ミリ)する。これに廃プラをチップ化した原料と混練して、ゴムシートに製造する。
同社は、製品化するゴムシートを当面、長さ20・5メートル、幅180センチ、厚さ1ミリ、重量27キログラムの製品規格として製造していく。カラーは黒。シート化する以前の粉末化した状態でのゴムは原料として活用でき、凍結防止アスファルト道路骨材、活性炭、電磁波シールド、オイル吸着材、セメント骨材、ペイント複合材、その他のゴム製品原料として再利用できる。
さらに同ゴムシート化した製品は、耐久性、耐水性、防寒性、耐震性ばかりでなく、遮光性やすべり止めなどの効果をもつことが確認ずみ。農業資材では畔道(水田や畑)の雑草防止や水漏れ・浸食防止、ビニールハウスの苗床シート、簡易水路にも試験採用ずみ。建築資材では、結露防止、断熱材、防音材、防水材、防湿材に優れるばかりでなく、電磁波シールド材としても期待が高まっている。土木資材では、道路の雑草防止、宅地造成中の法(のり)面浸食防止にも効果を発揮し、仮設の道としても活用できる。加工品資材としても、テント、簡易車庫、トラック幌はもとより、他の素材の代用として活用範囲も広がりそうだ。
同社はすでに、ゴムシートの農業資材向けを中心に販売代理店を地元3県で設置ずみで、今年から全国代理店の組織づくりと並行して、本格的な普及活動に入った。問い合わせ先は日本海交易電話076(251)8285。
東
京地区の異形棒鋼はベース3万―3万1000円と弱含み。
先安観を払拭できず、需要家は当用買いに徹しているため、引き合いは低調。3万円際の市況水準にもかかわらず、反発材料は見当たらず、市場関係者は様子見の商いで変化に乏しい。
市況は大手ゼネコン直送でベース3万1000円、中小向けは3万円中心で推移している。値ごろ感はあるが、底値が見えないため積極的な買いに出られない。
メーカーは減産強化を打ち出せず、スクラップ、需要動向を様子見。大幅な市況下落が見込めないため、流通は積極的な先行売りに出られないなど、各者主体的に動きづらい状況。
先安観を打ち消す材料を欠くため、様子見の商い。
島 秀雄氏(しま・ひでお=元住友金属工業取締役)18日午前3時15分、脳血管障害のため東京都渋谷区のJR東京総合病院で死去、96歳。自宅は港区高輪4―14―1高輪ペアシティ607。通夜は19日午後6時から、葬儀は20日午後0時30分から、いずれも港区高輪3―15―18の高野山東京別院で。喪主は二男の隆(たかし)氏。
北井 正一氏(きたい・まさいち=元三晃金属工業会長・社長)17日午後3時20分、脳こうそくのため東京都杉並区宮前3―7―22の自宅(電話03―3333―3456)で死去、85歳。通夜は19日午後6時から、葬儀・告別式は20日正午―午後1時、いずれも杉並区南荻窪3―31―23の願泉寺(電話03―3334―1807)で、北井家と三晃金属工業の合同葬として行われる。葬儀委員長は同社社長の武末浩之氏、喪主は妻の榮(さかえ)さん。
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