伊
藤忠商事の薄板加工センター、米ノバ・スチール・プロセシング・インク(オハイオ州ティップ・シティ)は、同じ伊藤忠グループの鋼板加工センター、米イトチュー・スチール・インク(=ISI、ケンタッキー州ウィンチェスター)を7月1日付で吸収合併する。
ノバ社は、米国の自動車用鋼板マーケットにおけるグループ化が進む中、受託加工センターとして生き残るには、対応品種・サイズの拡大、対応エリアの拡張が不可欠と判断、ISIの吸収を決めた。合併後、ノバ社はノバ・イトチュー・スチール・プロセシング・インクに社名を変更、オハイオ州、ケンタッキー州、インディアナ州の3州4拠点にスリッター、レベラーなど年間75万トン能力の設備を持ち、薄板から中板、45トンの大型コイルまで対応できる加工体制を確立する。
ノバ社(資本金790万ドル)はティップシティ、インディアナ州アンダーソンの2カ所に加工拠点を持つ受託加工センターで、従業員は155人。1986年に米アームコ社との折半出資による合弁事業としてスタートしたが、現在は米イトチュー・インターナショナル・インクおよび伊藤忠商事が100%を出資している。ティップシティにスリッター1台、レベラー・シャー1台、ギャング・スリッター1台、アンダーソンにスリッター1台を設置。自動車内外板用の板厚3・2ミリ以下の薄板をメーンに、97年実績で42万―43万トンを加工している。
一方、ISI(資本金250万ドル)はウィンチェスター、ルイビルの2カ所に拠点を持つ受託加工センター。ノバ社同様、伊藤忠グループが100%を出資しており、従業員は30人。両拠点にスリッターを1台ずつ持ち、自動車部品業界向けの板厚9ミリ以下の中板をメーンに、年間20万トンを加工している。
7月1日付で新たにスタートするノバ・イトチュー・スチール・プロセシング・インクは資本金790万ドル、社長にはノバ社の山本博志社長が就任する。両社の加工センター、設備、従業員を引き継ぐことで対応エリア拡張、品種・サイズ拡大を実現。セールス、プロダクション、カスタマー・ミックスの変更による合理化効果、シナジー効果を追求していく。
新会社の4拠点の年間加工能力合計は約75万トンに達するが、米国伊藤忠商事の鉄鋼事業としては、ゼネラル・モーターズ社対応で年間120万トンの鋼板を取り扱う、ミシガンRSDCプロジェクトをスタートしており、中西部の自動車関連業界向けだけで、年間200万トンの薄板の流通加工体制を持つことになる。
また米国伊藤忠商事は、受託加工センターとして厚板溶断のリバポート・スチール・インク(ケンタッキー州ルイビル)、ブランキングのヤマモト・ファイン・ブランキング社(同ルイビル)の2社も持つ。これらと並行して在庫販売を行う薄板サービスセンター事業として、サザンウエスタン・オハイオ・スチール社(オハイオ州ハミルトン、同ミドルタウン、テネシー州ローレンスバーグ)、スチール・コイルズ・インク(イリノイ州シカゴ、テネシー州ナッシュビル)などを展開している。
電
炉系列メーカーと非鉄の製錬メーカーが、歩調を合わせて電気炉ダストから亜鉛を回収する段階で発生する、排ガス中のダイオキシン濃度の調査に乗り出した。これまで亜鉛を回収する非鉄製錬メーカー3社や電炉メーカーで出資・設立した亜鉛回収メーカー2社が個別で調査したケースはあるが、5社の調査結果を日本鉱業協会が取りまとめたのは初めて。同じ課題を抱えるダイオキシン調査と対応策を共同展開する公算もある。
今回、亜鉛回収時の排ガス中のダイオキシン濃度を調査したのは、非鉄製錬業界では住友金属鉱山、東邦亜鉛、三井金属鉱業の3社。電炉業界では、関東地区の電炉メーカーが共同出資して設立した亜鉛回収メーカーの曹鉄メタル(本社=福島県)と、関西地区のメーカーが共同出資した姫路鉄鋼リファイン(本社=兵庫県)の2社。今後は調査段階から一歩踏み込んだ排出量の削減に向けて動き出す可能性もある。現状では亜鉛回収の際に発生する排ガス中のダイオキシンの法規制がないため、規制が施行された場合の対応も検討課題となる。
一般的には電炉の製鋼時に発生するダストを集塵して、その中に含有する亜鉛を5社で回収して外販する。最近では製鋼時の熱効率を引き上げ、電力原単位を改善するために鉄スクラップ予熱装置(スクラップ・プレ・ヒーター=SPH)を設置するケースも多い。ただ、SPHを採用することで、排ガス中のダイオキシン濃度は高まるが、排ガスの熱を鉄スクラップに伝えることで排ガスを急冷できるため、集塵段階ではダイオキシンの捕集が高まるメリットもある。また、ダイオキシンを含んだダストをキルンで焼結して亜鉛を回収する段階で、ダイオキシンが発生する可能性も残されている。
鉄、非鉄メーカーが今回、亜鉛回収時に発生する排ガス中のダイオキシンの濃度の調査で歩調を合わせたことで、二次製錬段階でのダイオキシン削減に向けた両者の動きが、具体化してくるものとみられる。
愛
知製鋼は、このほど二次加工工場の工場運営を子会社の愛鋼(本社=愛知県東海市南柴田町、鈴木三千彦社長)に全面移管したことを明らかにした。両社の二次加工事業が重複するため、オール愛知としての二次加工事業の総合力を強化するため4月から移管したもので、今後、愛鋼は営業面で独自な展開も図っていく。
今回の全面移管は、愛鋼と二次加工事業がラップすることから、同事業を愛鋼に集約・一本化することで、二重投資などのムダをなくすと同時に、設備の有効活用を図り、オール愛知としての二次加工事業を総合的に発展させていくことが狙い。特に二次加工分野の営業においては、特殊な、狭い分野でキメ細かな対応が必要とされるため、愛鋼の持つ販売力、ノウハウを生かした新たな営業展開が期待できる。
工場運営が全面移管された二次加工工場は、引き抜き、シェービング、センタレス、ピーリング、冷間圧延(ステンレスの小物異形用)など6種類の加工ラインを有する。月間生産量は耐熱鋼、ばね鋼など550―600トン。設備は愛鋼に貸与し、従業員約30人が出向した。
一方、愛鋼は、特殊鋼鋼材販売を主力に、二次加工では引き抜き・センタレスや異形磨加工製品を生産する。従業員72人(今年3月末)。年商は150億2900万円(98年3月期)。今回の移管により、近年強化してきた二次加工分野が大幅に充実した。
大
同特殊鋼は高硬度、高靭(じん)性の特性を有する冷間ダイス鋼鋳鋼「DC53C」を開発、商業ベースでの事業展開に乗り出した。工具鋼の主力鋼種である冷間ダイス鋼「DC53」をベースに一次炭化物の低減、特殊熱処理技術で鋳造組織を改善、高靭性鋳鋼金型材料として市場投入する。
自動車関連の冷間プレス用金型ではニア・ネット・シェイプ(NNS)を志向した複雑形状化、コストダウンをにらんだ工程数減による納期短縮などのニーズを考慮、金型材料を鋼材から鋳鋼に切り替える動きが出始めている。同社ではこうしたニーズを踏まえ、耐衝撃特性が従来鋳鋼(SKD11系)に比べ、シャルピー衝撃値が2倍強の10J/平方センチメートルの特性を持つ冷間ダイス鋼鋳鋼を商品化、金型コストの低減、加工時間短縮が可能な新鋼種として拡販する。
これで同社の鋳鋼金型素材はフレームハード鋼「GO5C」、熱間アルミダイカスト用金型用鋼「DHA1C」と、「DC53C」の3系統の体制が整い、業容拡大を目指す。納期の面でも、製造から出荷までのリードタイムを1カ月とし、グループの大同アミスターと表面処理など後加工で連携、全国ネットの販売網を敷く。当面、年間240トンの冷間ダイス鋼鋳鋼市場で50%のシェア確保を目指し、将来的には鋼材の「DC53」を部分的に新鋼種に移行させ、年間600トン規模に拡大させる。
開発された「DC53C」は、最高レベルの高靭性を持つ冷間ダイス鋼鋳鋼(特許出願中)。シャルピー衝撃値は10J/平方センチメートルと従来鋳鋼型の2倍の特性を有し、熱処理硬さも60HRCと高硬度特性に優れる。さらに鋳鋼のため、異方性が少なく金型変形が小さい。鋼材のDC53並みの耐摩耗性、表面処理性を示すほか肉盛溶接性にも優れ、金型の設計変更が容易となっている。こうした特性をセールスポイントに、自動車関連の冷間プレス用金型向けなどを中心に、販売を促進していく。
自動車関連の冷間プレス金型では、モデルチェンジサイクルの短縮から、金型コストの低減が求められている。このため、より製品に近いNNS化や工程数縮減によるリードタイムの短縮の動きが顕在化、金型材料を低コストで複雑形状ができる鋳鋼に移り始めている。
大同特殊鋼では、こうしたニーズにこたえ、金型製作のトータルの工期短縮、トータルコストの低減を念頭に新鋼種開発を推進した。今後も、高度化ニーズに適合した陣容を志向、工具鋼の事業展開を伸ばす。
ス
チールセンター(本社=東京都千代田区、末光敬正社長)は、タイの関連会社「SCMT(スチールケース・マニュファクチャリング・タイランド)を増資する。現在、SCMTは資本金が5480万バーツで、このうちスチールセンターは49%を出資しているが、今回2740万バーツ(9600万円)を全額増資するもの。これによってスチールセンターの持ち株比率は66%となる。すでに増資の支払い手続きを終え、タイ投資委員会(BOI)の認可待ちの状態。
SCMTは96年1月に、タイの本田技研工業の二輪と四輪の部品梱包用のスチールケースを製作する目的で設立された。タイのバトムタニ県の工場は、同年6月から稼働している。ただ、昨年の通貨危機でタイおよび東南アジア経済が大きく落ち込んだことで、昨年のスチールケース製作は当初計画よりも下回った。さらに金利負担の増加で経営が苦しくなっていたので、増資によって資金繰りの円滑化を図ることなった。
なお、SCMTの97年12月期決算は売上高が3億4300万円、経常利益が6500万円の赤字。
岡
谷鋼機は今年度を初年度とし、2000年度を最終年度とする3カ年の新中期経営計画「グリーン2000」の策定作業に入った。この中で、普通鋼国内で約2000億円、鉄鋼部門全体では約2800億円を目指す計画。
国内では条鋼・建材の強化、鋼板は関係会社で加工拠点を持つ強みを生かして店売り販売を拡充する。同社鉄鋼部門の主力分野であるエネルギー関連も98年度、99年度は端境期だが、2000年度以降はプロジェクトの計画があるため、これをフォローする。中部地区では愛知万国博覧会、中部国際空港などのビッグプロジェクトが目白押しとなっており、専門のプロジェクトチームを設置して、積極的に取り組んでいく方針。
海外では東南アジアの動向を把握し、変化に対応して力を入れていく。さらには、米国を中心とした既存商品の復活と、堅調分野の拡大にも注力する。
「グリーン2000」の全社的な基本理念は「21世紀への助走期間として、豊かな感性とスピーディーな実行力、それに基づいた総合情報力を共有する人間集団を目指すことで、変革する企業文化を創造する」。この中で、鉄鋼本部のスローガンは「活力ある鉄鋼本部に」。そのために積極的な行動力・情報力の強化とその共有化を追求していく。
97年度の鉄鋼部門の業績は普通鋼国内では前期比13・6%減の1966億円、特殊鋼国内が同0・5%増の440億円、海外が同4・7%増の266億円、鉄鋼部門合計では同9・9%減の2672億円となった。製造業向けを中心に鉄鋼部門全体で苦戦が続き、同社の主力分野であるエネルギー関連も端境期で落ち込んだ。
新中期計画の初年度である98年度は普通鋼国内が1932億円、特殊鋼国内が445億円、海外が245億円、鉄鋼部門合計では2622億円の計画。
なお、3カ年の新中期経営計画「グリーン2000」の『グリーン』は、同社のコーポレートカラー『若竹色』をベースとしたことにも由来する。
大
同鋼板(深谷晉社長)は、新タイプの住宅屋根用金属断熱サンドイッチパネル『エコダッハ』を、今夏から本格販売する。今年はトライアル期間として年間2万平方メートルの販売量を予定しており、2年後をメドに年間80万平方メートルの販売量を目指す。
同社は「素材販売から商品営業へ」の転換を図る中で、高級商品の拡販、新商品開発と需要開拓を進めており、なかでも、住宅分野における金属屋根需要・シェア拡大に注力することが必要であると判断。工場関係向けを中心とした断熱屋根パネルである『イソダッハ』を住宅用に新商品化し、『エコダッハ』として販売を開始するもの。
『エコダッハ』の特徴は、(1)高断熱・高気密で省エネを推進し、快適な居住空間を創るとともに、冷暖房費を大幅に節約できる(2)重厚な瓦調のデザインを近代的にデフォルメすることで、斬新かつ豪華な仕上げを実現(3)高い靭(じん)性と軽量性により、地震に対して強く、構造体への負担を大幅に軽減(4)施工プロセスをシステム化でき、屋根と天井部が短時間で一挙に仕上がる――など。
年内には全国各地区の特約店をベースとしたモニター制を設け、市場調査を実施する。
「国内住宅における金属屋根普及率は8%程度とされているが、環境問題が重要視される中、寒冷地区の暖房時はもとより温暖地区の冷房時にも省エネ効果が期待できるため、今後、需要の拡大に注力する」(木本哲雄専務)としている。
小
棒は需要低迷からさえない商状。大阪ではまだ2万5000円台の安値も残っている。スクラップも下げは見込めず、メーカーは苦しいところ。H形は荷動きが落ち込んでおり、流通は強気に出れないのが実情。流通筋への入庫は抑制されている。当面は現状維持。冷延薄板は、主力需要部門がことごとく低調。高炉は減産を実施しているが、それを上回る需要減退で在庫もふくらんでいる。厚板は造船向けのみ好調。建築、産機、建機は軒並み不振。市場環境はまったくさえない。
【H形鋼】
▼東京=荷動きは引き続き低調のため、流通は強気の販売に徹しきれず、数量がまとまると折り合うケースが出ている。
5月後半から一段と動きが鈍化しており、特に建築サイズの動きが鈍いという。流通は鉄骨加工業者の仕事量から目先の回復はないと見ており、在庫調整局面と認識して発注量を絞り込んでいる。ただ、メーカー販価の下支えで下げ余地は小さいとの見方が強く、弱含み横ばいで推移するとみられる。
▼大阪=5月から安値是正の動きにあったが、5月後半に大幅に荷動きが落ち込んだことから、腰折れの状況にある。市況はベース3万2000―3万3000円どころが中心。市中在庫は5月末で前月比ほぼ横ばい。5月の流通段階での販売量は同比10%近い落ち込みとなったもようだが、流通への入庫量が抑制されているため、在庫の荷もたれ感はない。今月の需要も前月並みの低水準で推移する見通しで、当面、市況は底ばい。
【厚板】
▼東京=4万7000円どころで弱含み。メーカーは減産を強化しているうえ、店売りの引き受けを絞っている。輸入材は月間8万―9万トンペースの入着となっている。一方、需要は建築が落ち込んでいるうえ、産業機械、建設機械は国内、輸出ともに低調。また、在庫は特約店段階、鋼板加工業者段階ともに横ばいで推移しており、現在、定尺の在庫率は1・4―1・6カ月と過剰ぎみ。
▼大阪=造船はVLCCを中心に量的には好調をキープ。しかし、建築、産機、建機など市場に反映する需要は低調から抜け出られない。店売りの引き合い、荷動きは月を追って悪くなっている。
4月の輸入通関実績は、6万2000トンと低水準にとどまった。ただ、市場へのインパクトはない。7―9月以降の輸入も急増はない。シャー、熔断業者は仕事難。
【冷延薄板】
▼東京=5万9000円どころで弱含み。国内メーカーは減産に本腰を入れてきているが、それ以上に需要が落ち込んでいる。特に、自動車はディーラー段階の在庫が多く、大幅な生産調整を行っている。この結果、コイルセンターの加工も稼働率が通常の3分の2程度と深刻な状況だ。
在庫もコイル、シートともに過剰感が強い。このため、流通は弱気の販売が続いている。
▼大阪=自動車の上期(1―6月)の生産計画は510万台で77年以来、22年ぶりの低水準となるのをはじめ、家電、鋼製家具、建材と主力需要部門はことごとく精彩を欠く。
高炉メーカーは減産を強化しているが、需要の落ち込みが減産幅を上回り、4月末のコイルセンター在庫は減るどころかピークを更新。輸入鋼材は4月通関が7万7000と、ボトムダウンしたが、圧迫感は拭えない。
【異形棒鋼】
▼東京=引き合いは低調さを引きずっており、市況は先月下旬から軟化傾向をたどっている。一方でスクラップ市況が切り上がり、製品の出荷単価は下がっている。
手取り部分が一気に縮小しているため、金額、時期は未定ながら、メーカーは値上げの意向を強めている。流通、需要家とも市況の下げ余地は小さいと見ているが、需要不振のなか下げ基調が続いている。メーカーの出方待ちで様子見の商いが続く見込み。
▼大阪=値ごろ感が出ているものの、一部で2万5000円台の安値が出ており、すっきりしない。市況はベース2万6000―2万7000円どころが中心。
メーカー販価はダイワが5月契約で値上げしたが、他メーカーは据え置き。円安を背景とした輸出成約で足元の需要不振を乗り切りたい考え。スクラップは1万1000円どころで底ばい。需要低迷が続き、弱含み横ばい。
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