新
日本製鉄と三井物産が共同で設立した新津田鋼材(本社=東京、大喜多正己社長)の営業体制がほぼ固まった。清算が決まった津田鋼材の社員は全員解雇の後、先週までに新津田鋼材に120人が再雇用された。今後、銀行からの新規融資を受け、半年をメドに津田鋼機、津田スチールセンターの土地、建物、機械を約40億円で買収する。決算期は12月にするか3月にするか決まっていない。年間640億円の売り上げ目標で、3年後をメドに3億円の経常利益を目指す。
新津田鋼材は資本金10億円。新日鉄が60%、三井物産が40%を出資して9月24日に設立。登記上の本社は東京。ただ、機能的には大阪が本社となり、ここを中心に関西、関東、中部、東北圏での営業展開を行う。
組織的には大阪営業部の中に建材部、鋼材部、名古屋支店を置き、関西・中部地区をカバー。東京エリアは支社(東京)をベースに建材部、鋼材部、東北営業所の構成。これとは別に全社的な組織として薄板事業部を置き、大阪薄板部、東京薄板部で主に需要家向けの販売を行う。この大阪・東京薄板部の加工セクションとして、津田鋼機と津田スチールセンターの工場部門が付く形となる。大阪の薄板部は主にダイハツ向け。東京薄板部は日産自動車の系列・ユニプレス向けが中心となる。このほか他の自動車・家電向けの薄板製品の加工・供給も行う。
こうした薄板系製品の供給体制を整備するため、今後半年をメドに関西にある津田鋼機と、関東にある津田スチールセンターの土地・建物・機械類を約40億円で買収する。別会社にはしない方針で、大阪、東京薄板部の加工工場として一体運営される。両社の従業員も新津田に再雇用される計画で、全社要員は180人前後になる。
条鋼部門は、H形などの形ものを中心に比較的高いシェアを持っているため、今後も主力部門として注力していく。高炉、電炉製品ともに津田鋼材の商権を全面的に引き継ぐ。仕入れは新津田鋼材設立後、すぐに新日鉄の窓口商社組織である十日会メンバーに入ったため、新日鉄製品は窓口商社として直接取引する。他の形鋼部門も基本的には新津田が各電炉メーカー、建材メーカーから直接購入する。管理部門は大阪の業務総括部が中心となり、この中に経理部と経営企画部が置かれる。
新津田鋼材の売り上げ構成は、条鋼品が50%強、薄板関係が40%強の比率となる。年商ベースでは640億円と、津田鋼材時代に比べ2―3割減少する。しかし、新体制移行に伴い内容を選別しており、収益性は改善するとみられている。このため3年後には経常で3億円の利益を確保し、早い段階で配当も実施する方針。
一方、津田鋼材のグループ企業は木津川建材加工が高砂金属と藤原倉庫に売却。ヤマツ商事は清算される。日本ステアックスは売却の方針だが、売却先は未定。
鉄
スクラップ加工業者が主体の全国組織である日本鉄リサイクル工業会(会長=鈴木孝雄・鈴徳社長、会員数918)は14日、記者会見し、発生元に対し従来の有償引き取りから処理費用をもらう「逆有償」すなわち「産業廃棄物として処理する方法に移行せざるを得ない」とし、理解を求める文書を配布することを明らかにした。
文書の内容は(1)鉄スクラップ価格の急激な値下がりは品質の劣化をもたらし、将来の安定供給に支障をきたす。併せて原料の値下がりが鋼材価格の一段の下落を誘導する恐れのあることも配慮してほしい(2)工場発生鉄スクラップの、上級品としての位置付けは変わらないが、市況が構造的に長期低迷の時期に入りつつある現状から、個別の契約で払い出し価格見直しの機会を与えてほしい(3)自動車、家電、建設現場からの廃材は原則として費用をもらって処理するが、今回の暴落以前から法規が強化され、発生ダストの処理費用の急激な負担増で赤字操業が続いている。この際「逆有償」という有償を前提とした引き取りは終焉させてもらい、産業廃棄物として処理する以外に方法がないことを理解してほしい―というもの。
鈴木会長は、鉄スクラップといえば売却できるものと認識されていたが、集荷業者、加工業者ともコスト割れ、赤字である。集荷機構の崩壊、われわれも倒産しかねない情勢にあり、この市況低迷は長期化する見通しで、価格体系を変えざるを得ないという。このため、鉄スクラップは廃棄物扱いでコストの一部を発生元に負担してもらうことになるとしている。
廃車、廃家電などが、現在逆有償だが、今後は建設廃材も逆有償へ移行する見通しである。こうなると鉄スクラップ加工業者は産業廃棄物処理業の中間処理、収集運搬の許可取得が必要条件になり、既にゼネコンなど発生元では引き取り先にマニフェスト(管理票)を要求する動きが増えている。このため、同工業会では、会員各社に行政の許可を早急に取得するよう指導する方針。
日
新製鋼と日新鋼管の両社は、高加工用の780N/mm2級高張力鋼管を共同開発し、同製品が自動車の足回り部品向けに一部採用されたことを明らかにした。世界的な環境保護の動きに呼応して開発が進められている鋼製超軽量車(ULSAB)を視野に入れ、実用化したもので、780N/mm2級非調質型の高強度鋼管の自動車足回り部品への採用は初めてとみられる。
新製品は、安全、かつ軽量の鋼製超軽量車に向けて開発が取り組まれている中で、自動車部品の軽量化、あるいはコストダウンを狙って開発したもの。
開発にあたっては日新製鋼が合金設計、制御圧延などの製鋼・圧延技術を駆使する(組織は微細フェライト・パーライト組織)一方、パイプメーカーの日新鋼管がロール成形や溶接技術を工夫することで、これまで問題となっていた溶接部の焼き入れ硬化や溶接熱影響部の軟化を抑えることに成功した。この結果、小径厚肉で、1・5倍以上に拡管できるなど加工性に優れた780N/mm2級非調質型の高張力鋼管が実現できた。このためこれまで中実材を使用している場合ならば、重量を半減、また合金鋼パイプならば熱処理が不要となるため低コスト化できるようになった。
特に加工性が要求されない非調質型の高張力鋼鋼管としては、自動車関連に1180N/mm2級、1470N/mm2級があり、ドアインパクトビーム用鋼管などに採用されているが、ユーザーの軽量化やトータルコストダウンのニーズは一段と高まっているだけに、中実材や合金鋼パイプに代わる製品として今後の採用状況が注目される。
川
崎製鉄水島製鉄所第2高炉はこのほど、累計出銑量が3825万2041トンに達し、内容積(2857立方メートル)1立方メートル当たり累計出銑量1万3389トンの日本記録を更新した。これまでの日本記録は、同社千葉製鉄所第6高炉(今年3月24日吹き止め、同5月26日より第2次稼働)の1万3386トン/立方メートルだった。
記録を更新したのは7月2日で、8月末現在では1立方メートル当たり1万3506トンとさらに記録を更新している。
水島製鉄所第2高炉は、1979年3月の稼働以来、19年6カ月を経過、現在稼働中の高炉としては最長寿命を保っているが、炉体・炉底とも健全であることから、千葉第6高炉の連続稼働世界記録20年9カ月を更新できる見通しとなっている。
水島2号高炉が長期安定操業を続け、今回の記録更新を果たしたのは、(1)高水準の炉体・鉄皮製作据付技術と川鉄式ステーブ(炉体冷却設備)によって、炉体を健全に維持できた(2)高炉炉況判断システムにより、長期間安定した炉況を維持できた(3)設備診断システムにより保守管理体制を強化、徹底した(4)高炉装入物の半径/円周方向制御(原料の装入分布を半径・円周方向に調整、制御する)により、炉内原料分布偏差を低減し、炉体への負荷を軽減できた―などの要因による。
なお、世界の内容積1立方メートル当たり累計出銑量記録は、確認されているものとしては、ロシア・チュレポベツ製鉄所4号高炉の1万2200トンがある。
マ
ンテン(本社=大阪市浪速区日本橋東、横田庄司社長)は、耐震用鋼製下地材「ジシンサク30」を発売しているが、来年度(99年度)には同製品で年間3億円の売り上げを目指す。同製品は避難通路などの壁での使用拡大が期待されている商品で、現在、設計事務所を中心に積極的にPRしている。今後も設計コンサル、ゼネコンへの普及を努めていく方針。
従来、外壁側の内壁はボンドで付けるGL工法が採用されていた。しかし、GL工法の場合は地震時にALCの石膏ボードが割れたり、崩れたりした。また、ALCにGLを施すと、その間にカビが発生したり、結露が生ずるなど理問題に加え、遮音性も良くなかった。
これらの問題を解決するため、「ジシンサク30」を開発、95年末に発売を開始した。これまでに錦糸町北口再開発、住友倉庫、ケンウッド八王子、神戸交通センタービル、西新宿再開発、大崎再開発、厚生年金熱海岩間荘、阪急協栄物産、長野駅前共同ビルでの施工実績がある。
特長は(1)壁厚の仕上がり寸法が小さいので、室内空間を有効に活用できる(2)耐震用特殊クリップの採用により、地震の振動による内壁面の損傷を防ぐ。層間変位は60分の1(3)遮音性能の向上に有効(4)壁の高さは6メートルまで可能――など。
兵
庫県は、神戸市東部新都市C―5街区(神戸市中央区脇浜海岸通)に建設を予定している兵庫県立新美術館『芸術の館』(仮称)の一般競争入札を近日中に告知する。これは12月の県議会に仮請負案件を提出し、議会承認後に着工するもので、2001年秋に完工・オープンを予定している。
同建物は敷地面積1万9000平方メートル、RC造地下1階、地上4階、延べ床面積2万5335平方メートル、高さ(最高部22・6メートル)。
内部は、地下1階が駐車場、機械室、中央監視室。1階がエントランスホール、常設展示場、収容庫、美術環境センター、事務室、講堂、アトリエ、カフェ、ミュージアムショップ。2階が常設展示場、研究室、レストラン。3階が企画展示室、ギャラリー。4階が屋外展示スペース―など。
兵庫県の施設では初めての免震工法を採用しており、設計は安藤忠雄建築研究所。
【開
発の背景】
産業廃棄物やゴミ処理の最終処分は埋立てが一般的だが、漏出した汚水などが施設外に拡散する事故が多い。このため、防止対策として連続地中壁工法で止水壁を周囲の地盤に構築している。この連続地中壁工法は、掘削機などのベースマシンのサイズが大きく、山間部の狭隘な沢などに多く立地する既設の最終処分場では施工が困難となっている。また本来、掘削した地盤の崩壊を防止する山留め壁を作る工法であるため、壁厚が最小でも400ミリと厚く、掘削土量とセメントの使用量が多くなる。
こうした施工上のネックを解消するため開発されたのが、アースカット工法。壁厚25ミリと薄い止水壁をワイヤーソーを活用した小型で軽量の掘削機で構築する。小回りがきき、小型で搬入が容易という利点があり、山間部の狭隘な傾斜地での施工に最適とされている。
【施工法】
もともと建物の解体に使用されるワイヤーソー工法の原理を応用したもので、掘削機には太さ25ミリのワイヤーソーを活用する。これが小型化と軽量化に貢献した。
施工は(1)ボーリングマシンでボーリング孔を2本削孔し、各孔にそれぞれ掘削機の昇降レールとなるガイドコラムを立て込む。(2)この後、ガイドコラムに掘削機をセットして、ワイヤーソーを掘削機に取り付ける。(3)ワイヤーソーを回転させて掘削機を地上から地中に向けて押し込みながら不透水層まで地盤を溝状に掘削する。(4)掘削終了後、地上まで引き上げた掘削機からワイヤーソーを取り外し、止水シートの下端を掘削機に取り付ける。(5)掘削機を地中に降下させて止水シートを構内に挿入させる。
以上の手順で溝の掘削と止水シートの挿入を繰り返し、挿入された止水シートの左右端を相互に接合する。この後、溝とボーリング孔にセメントを充填すると止水壁は完了する。
【特徴】
アースカット工法の特徴は、(1)ワイヤーソーを活用した小型の掘削機構を採用したため、連続地中壁工法に比べて掘削機の小型化と軽量化を実現。狭隘な場所での施工が可能になった(2)太さ25ミリのワイヤーソーで地盤を掘削するため、壁厚25ミリの超薄型の溝を掘削できる。この結果、連続地中壁工法に比べ掘削土量が減らせる。また掘削後に使うセメント量を削減できる(3)掘削機は新開発の自動運転制御システムを備えており、施工時に地山などのデータを計測・分析しながら掘削機の昇降速度を自動的に制御できる。
【今後の展開】
厚生省の調査では、全国で稼働中の一般最終処理処分場1901施設のうち538施設が汚水の漏出を防ぐ遮水シートや汚水処理の設備が不備であることが明らかになっている。このため、今後の施工需要は極めて大きいと見られている。アースカット工法は、ことし建設大臣の認定機関である先端建設技術センターから止水性能の高さを証明する技術審査証明を取得。こうした性能保証を背景に最終処分場の事業者に対する営業を強化する方針。
異
形棒鋼はベース2万7500―2万8500円と弱含み。
新規の引き合いが乏しく、市況はじり安で推移している。3万円を割り込んだ取引が常態化しており、安値警戒感も薄れている。需要の減退感からなお先安観が強く、打ち消す材料は見あたらない。
流通はメーカー販価を下回る安値で先行売りの姿勢。メーカーは販価維持を掲げているが、減産効果を需要減が上回る形で、需給の緩和を反映して流通の値下げ要求が強まっている。
メーカーの契約残は減少しており、需要の減退感は強く、スクラップ市況の下落傾向が続いている。主力の建築需要の減少傾向、信用不安による商いの縮小などマイナス要因から弱含みの展開が続きそうだ。
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