鉄鋼関連
1999年8月10日
[バックナンバー]

  1. トピー工業、1トン当たり1万円コストダウン達成

  2. 与謝野通産相、鉄鋼協議に進んで参加表明

  3. 日新製鋼、カラーステンレス値上げ

  4. 王子製鉄300ミリ幅平鋼を売り出し

  5. 中鋼『そとかべくん・ワイド』を拡販

  6. 新日鉄広畑、薄板最適製造体制10月本格立ち上げ

  7. 大林組、風力発電タワーの制振装置を共同開発

  8. 東京地区のH形鋼市況、流通が唱えアップ



トピー工業、1トン当たり1万円コストダウン達成


ピー工業・スチール事業部(事業部長=宮本章常務)は、第2次構造改革中期経営計画「K―21」で掲げた2000年3月末での1トン当たり1万円のコストダウンを、99年度上期で前倒し達成した。2000年4月から始まる3カ年の新中期経営計画「ポストK―21(仮称)」では、連結対象会社の機能も織り込むことで、さらに1000―2000円のコストダウンに着手、『最低のコストで最高の利益』を目指す。要員も2000年3月末に620人体制とする目標を、今年10月での達成にメドをつけた。

 93年4月から96年3月までの3カ年の第1次構造改革計画「P(パーフェクト)―21」に続いて取り組んだ「K―21」は、96年4月から2000年3月までの4カ年計画。このうち、スチール事業部では1トン当たり1万円のコストダウンを目標に掲げた。98年度ではこの目標に対して70―80%達成して、若干の黒字を計上した。

 99年度は月次で黒字を確保、上期で1万円のコストダウンも実現した。内訳は要員削減などの労務費で約3000円、ダイナミック・コントロール・システム(DCS)の導入などによる購買改善で約4800円、営業改善で約800円、その他で約1500円(うち販直費が約570円)など。99年度のスチール事業部の売上高は399億円の見通しだが、コストダウンの徹底で若干の黒字を計上する見込み。

 このうち、要員削減は96年3月末の822人を足元(99年7月)では644人に削減、2000年3月末には620人まで抑制する計画だが、これを今年10月1日までに達成するメドをつけた。なかでも管理職は30人を15人に半減した。要員削減は自然減(退職)と配置転換で対応した。

 購買改善はDCS導入などで対応。販直費の削減は店売り材を中部地区を中心に、東京、大阪地区に限定販売することでデリバリーコストを抑制。関連会社の「トピー海運」の競争力を拡充することでトピー工業のコストダウンにつなげて、シナジー効果を生む体制を構築。

 工場内での個々の改善を積み上げることもコストダウンにつながった。スチール事業部の生産拠点である豊橋製造所は大形、中形、棒鋼、旋削の4工場があり、そのなかで個々の工程がある。以前は1人1工程の担当だったが、1人がすべての工場で稼働できる『超多能工化』を進め、現状では1人2工程を実現した。

 2000年4月からスタートする「ポストK―21」では製造メーカーのトピー工業、販売会社の「トピー実業」、デリバリー機能の「トピー海運」の連結対象会社との『三位一体』の連携でコストを削減。互いの機能が交差する接点の管理を徹底し、セクションの概念を廃する。専門機能は子会社にシフトすることで『ローコスト・オペレーション』を実現して、無駄を排除する。これにより、コスト競争力を強化して、さらに1000―2000円のコストダウンを実現する。


与謝野通産相、鉄鋼協議に進んで参加表明


謝野馨通産大臣は10日、閣議後の記者会見で、米鉄鋼アクションプログラムで鉄鋼協議を提唱していることについて「2国間、多国間協議と進んで参加する」とし、「日本としてもアンチ・ダンピング制度の乱用など申し上げたいことがいくつかある」と米側要請に応じる考えを改めて示した。

 ただ、協議については「管理貿易に傾いていくことには賛成できない」とし、「生産調整的なことは2国間でなく、経済協力開発機構(OECD)鉄鋼委員会や世界貿易機関(WTO)など、関連の国際的取り決め枠内で多国間で取り上げるべきだ」と述べた。さらに「一方的なことでなく各国の利益が調和される事が重要」とし、協議では双方向の議論が行われるべきとする日本の立場を強調した。


日新製鋼、カラーステンレス値上げ


新製鋼は、カラーステンレスの販売価格是正に乗り出した。店売りを主体に8月出荷分からトン当たり3万円引き上げ、採算確保を図る。同社では原板となるステンレス薄板で先行して販価是正が実施されているほか、ここへきて原料のニッケル価格が上昇していることから、これらコスト上昇分をカラーステンレス価格に転嫁し、適正収益につなげる考えだ。

 カラーステンレスは屋根材を中心に、景気低迷から需要が減退、これを映して販売価格も下落を余儀なくされた。需要については、全体でピーク時の月間2500―3000トンレベルから、現在は同1800―2000トンレベルまで落ち込んでいるという。

 同社では需要、価格面で厳しい状況にあるカラーステンレスの値上げ実施で、採算面での改善を進めることとした。すでに商社、特約店へのアナウンスを開始しており、早い段階での達成を目指す。


王子製鉄300ミリ幅平鋼を売り出し


鋼メーカーの王子製鉄(本社=東京都中央区、矢田晃太郎社長)は、旧盆明けから300ミリ幅の広幅平鋼の売り出しを開始する。すでに6×300ミリ、9×300ミリ、12×300ミリの3サイズの試圧に成功してサンプル出荷を開始していたが、先週までに16×300ミリ、19×300ミリの2サイズの試圧にも成功、広幅5サイズがそろった。ユーザーニーズを満たす製品の生産にメドが立ったことから、5サイズの売り出しに至った。

 当面は東・名・阪の特約店1―2社と、鉄骨以外の大手ユーザー向け数社に月間数100トンを販売していく計画。10月の新製鋼工場の完成以降は、165×210ミリビレットを使用して本格的な販売を始める。

 当初は新製鋼工場の完成以降に広幅平鋼を売り出す予定だったが、6―12×300ミリの試圧とサンプル出荷が好評だったことに加えて、さらに品質も向上してきたことから、売り出し開始を早めた。同社は平鋼のトップメーカーで、現状では大幅減産に着手しているものの、月間生産量は2万5000トン強を誇る。今後は広幅平鋼を加えることで、製品ラインアップを拡充する。


中鋼『そとかべくん・ワイド』を拡販


鋼(原茂稔大社長)は、ナカコーサイディング『そとかべくん・ワイド』の拡販策を推進する。縦張り・横張り兼用タイプで、石積み模様を深彫りエンボス加工で再現し、糸目地仕上げですっきりとした一体感を実現――との特徴を前面に打ち出し、販売に注力する意向で、当面の売り上げ目標はワイド・シリーズだけで年間39万6000平方メートル、年商6億円を見込んでいる。また、今年10月をメドに、ワイドSPの新製品としてアルミタイプの販売も予定しており、『そとかべくん』全体としては年商16億円を目指す。

 金属外壁材『そとかべくん・ワイド』シリーズは、低光沢塗装品のDX、ちぢみ塗料を用いた超低光沢塗装品のHG、ツートン塗装を施したSPの3タイプ。形状は働き幅が364ミリ、厚みが16ミリ、長さが2879ミリ(9・5尺)と3788ミリ(12・5尺)。エンボスの深さは最大1・8ミリで、通常の製品(平均0・5ミリ)の3倍以上となっていることで、独特の質感を出している。裏打材は発泡ウレタンで、裏面がアルミラミネート紙。「金属サイディングというよりも、より窯業系の製品に近付けることを意識した商品とみてほしい。販売開始の昨年は東北・北海道方面での需要が主であったが、今後は全国的な規模での販売網拡大に注力する」(増田佳昭専務)としている。

 また、同社では扱い品種の多様化を目指し、さまざまな商品開発を試みているが、昨年以降(1)防火サイディング(2)ワイドSPのアルミタイプ――のプロジェクトチームを発足させ、それぞれの開発・製品化を進めている。このうち、アルミタイプについては今年10月ごろに製品化するメドがついており、防火サイディングについても製品化への検討を行っている段階にある。

 「新たに市場へ導入するワイドSPのアルミタイプも、板金店や工務店さらには末端ユーザーなどのニーズを取り入れる形で製品化することとなった。ワイドシリーズ全体として価格は当社製品のシングル・ダブルなどに比べて坪単価がやや割高となるが、意匠性・品質の高さでユーザーにも十分納得してもらえる」(同)としている。


新日鉄広畑、薄板最適製造体制10月本格立ち上げ


日本製鉄・広畑製鉄所(兵庫県姫路市、所長=永広和夫・取締役)は、薄板一貫最適製造体制『Hi―UPPシステム』の構築を進めているが、来月の最終仕上げ工事を経て10月から本格的にシステムを立ち上げる。

 同所は新日本製鉄における高級薄板製品の生産拠点として熱延鋼板、冷延鋼板、電磁鋼板、ブリキなど輸出も含めて月間15万―16万トン程度を生産している。こうした中、コストの大幅な削減を目標に薄板一貫最適製造体制である『Hi―UPPシステム』の構築に取り組んでいる。このシステムは『必要なものを必要な時に、必要なだけ生産する』――という、いわば『鉄のカンバン方式』とも言えるもので、製品・半製品の在庫圧縮、輸送効率の向上に力点が置かれている。

 すでに昨年3月に第1弾の立ち上げを行い、その後も順次稼働させてきたが、9月に最終の仕上げ工事を実施、10月以降、本格的な立ち上げを行うことになったもの。永広所長は「これで『器』の準備ができる。今後はシステムを駆使し、成果として出すことが重要」としており、稼働させながら逐次向上を図る方針。本格的に機能してくれば、同所における在庫圧縮やデリバリーの一層の強化が図れることになる。


大林組、風力発電タワーの制振装置を共同開発


林組は岩谷産業と共同で、風力発電設備タワーの頂部に内設できるコンパクトかつローコストな制振装置を開発し、秋田県八森町に建設された国内最大級のタワーで実用化した。この風力発電設備は翼の直径46メートル、発電容量500e。岩谷産業と住友金属鉱山が試験プラントとして共同で建設したもので、今年の2月から発電を開始し、良好な制振性能の結果を得ている。

 近年、建設される風車の傾向としては、建設コストに見合う発電量を確保するために単機の発電容量が500e以上と大型化し、微風から強風まで発電できる可変速運転機構が採用されている。この大型化に対して、航空法の規制や景観上の観点からタワー高さを設定した場合、風車の回転がタワーの固有振動と共振し、タワーの揺れ・振動・騒音といった問題が発生する。しかし、共振回避のためにタワーの剛性を強化することで建設費が増大するいった問題が生じてくる。

 今回開発した制御装置は、平面的な大きさが1・0メートル×0・8メートル、厚さ0・8メートル、重さ4トンの制振用鉄板を小型積層ゴムで支持し、粘性ダンパーで制振化したもので、高さ30メートルのタワー内部に設けた床に設置し、制振するパッシブ型同調ダンパーとして機能する。これらはタワーが揺れると制振板が揺れて、タワーの振動エネルギーを吸収することでタワーの揺れを制御するもの。


東京地区のH形鋼市況、流通が唱えアップ


京地区のH形鋼は200×100で3万3000―3万4000円と強含み。流通は3万4000円下限に唱えを引き上げて、再度値上げ交渉を進めている。メーカーの追加値上げが予測されるため、既に入荷しているこれまでの値上げ分を早期に市況に転嫁したい考え。

 例年見られる盆休み前の先行手当てもなく、荷動きは7月下旬から低迷したままだ。在庫の全体量は低く一部歯抜けがある状態に変わりないが、荷動きの低下と品薄サイズの補充がある程度進んだことでひっ迫感は薄らいでいる。

 流通は申し込み量を30%削減するなど、改めて仕入れを抑制する方針だ。先行き需要の増加が見込めないなかで、メーカーの値上げ分を市況に転嫁するには品薄状態が欠かせないという判断だ。流通は9月にかけて3万5000円を固めたいとしており、市況は今後もジリ高で推移する見通し。




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