2000.06.29
鋼 材倶楽部が28日発表した5月末の普通鋼鋼材国内向け在庫は574万8000トンで前月末の550万トンに比べ24万8000トン、4・5%増加した。2カ月連続の増加で、主な要因は5月の粗鋼生産が912万9000トンと97年5月以来の高水準となったことから国内向け出荷も21万9000トン、4・7%増の488万4000トンとなり、前年同月比も24万3000トン、4・4%増加した。しかし、国内在庫率は前月の118・9%から0・2ポイント低下の118・7%で、前年同月比でも10・1ポイント低下した。

 また、輸出船待ち在庫も174万4000トンで前月末の162万トンに比べ12万4000トン、7・7%増加した。国内向け同様2カ月連続の増加で、前年同月比でも36万9000トン、26・9%増と98年8月の198万8000トン以来の高水準となった。

 この結果、国内、輸出の在庫合計は749万2000トンで、前月末の711万9000トンに比べ37万3000トン、5・2%の増加となった。

 在庫をメーカー・問屋別で見ると、メーカー在庫は国内向け出荷増で前月末の562万4000トンに比べ28万トン、5%増の590万3000トンとなり、問屋在庫は前月末の149万6000トンに比べ9万3000トン、6・2%増の158万9000トンになった。

 メーカー・問屋在庫合計で前月末比1万トン以上減少した品種はなく、1万トン以上増加した品種はH形鋼が2万2000トン増の40万7000トン、中小形形鋼が1万5000トン増の15万8000トン、厚中板が1万3000トン増の49万9000トン、鋼帯の幅600ミリアップが12万2000トン増の191万3000トン、冷延広幅帯鋼が10万2000トン増の76万5000トン、亜鉛メッキ鋼板が5万4000トン増の122万2000トン、鋼管が1万トン増の64万3000トンとなっている。

 この結果、5月末の在庫率は1・9ポイント低下の112・3%となった。

 なお、5月の普通鋼鋼材の生産は704万5000トンで前月比9%増加している。出荷は国内向けが484万4000トンで同4・7%増加し、輸出向けは182万8000トンで同13・6%も増加している。

川 鉄建材(本社=神戸市中央区、増田光一社長)はこのほど、今期(2000年3月期)の計画をまとめ、明らかにした。今期は売上高で年間460億円程度と前期比約3億7000万円、0・8%増、利益が経常段階で5億円の確保を目指す。戦略的にはメタルビル、デバイス材、リバーホーロー、防災製品を中心に伸ばしていく。コスト低減は前期からスタートした中期計画の前倒し実施で、すでに3カ年で削減を予定していた金額25億円のうち、前期単年度で24億円を削減したことから、今期は通常の合理化に努める。人員は基本的には期初段階の740人体制を維持する。また、4月には「KITプロジェクトチーム」を設立、eコマースに対応への取り組み・研究を開始した。将来的にはメタルビルなど、自社の主力製品の電子取引を推進していく。

 同社は前期から3カ年の中期計画(構造改革計画)を開始した。計画では資産、要員、債務、生産・物流拠点の抜本的な見直しを行うもので、前倒しで計画を進めてきた。

 具体的には昨年、二本松工場、仙台工場を閉鎖し、これらの工場の生産を他工場に集約した。人員については計画の前倒し、および削減幅を若干、拡大したことで、計画前の960人(出向者を含まない)から、今期初めには740人となった。コスト低減目標金額も3年間で25億円だったが、初年度で24億円を削減し、計画の96%達成した。

 こうした合理化により、前期で競争力のある体制がほぼ構築できたことから、今期は積極的な事業展開を推進する。製品的には今期から、次世代型のシステムビル建築(メタルビル)の「エコメタル」を製品投入、88タイプを品ぞろえしており、倉庫、工場向けで拡販していく。

 また、耐震補強のデバイス材も橋梁向けで期待できることから伸ばす。土木製品ではスリットダム、KSパッケージなど防災製品、および防音壁の受注を増やす。さらに、リバーホーローもプロジェクタースクリーン向けなどの分野で販売を強化する。

 コスト低減は人員合理化が一段落したことから、引き続き材料費、管理費、諸経費の圧縮に努める。生産部門については今上期中にも川西工場のフェンスの塗装、穴開け加工を神戸工場に集約する。

 また、今年4月には「KITプロジェクトチーム」を設置、eコマースの取り組み・研究を開始した。今後は電子取引自体の研究、および自社製品の中で、eコマースになじむ製品の見極めなどを行っていく方針。

 これにより、今期は売上高で上期190億円、下期270億円、通期460億円程度、利益は経常段階で5億円と前期比4億5000万円増を目指す。

新 日本製鉄の米澤敏夫常務は28日、リオティント社からノース社買収オファーに関し26日に説明を受け、これに対し、次の回答をしたことを明らかにした。

 一、リオティント社からの提案内容は、新規開発を決定したウエストアンジェラスプロジェクトに既存のハマスレー鉄道を使用する前提となっている。ウエストアンジェラスプロジェクトでは鉄道は新規敷設の計画であり、計画の変更は認めがたい。

 一、ノース社の経営陣は今回のリオティント社の買収に反対の意向を表明している。当社はノース社とローブリバープロジェクトの健全な経営につき協力してきており、ノース社の経営に満足している。当社は、ノース社の意向を全面的にサポートする。

日 新鋼管(本社=東京都、阿部正和社長)は、(1)蒲郡、下妻両工場の造管ラインなど設備の更新(2)日新製鋼の新表面処理鋼板「ZAM」を素材とした鋼管の拡販(3)要員の20%減少などのコスト削減策―として収益基盤の強化・安定化を図る。

 同社は日新製鋼グループの溶接鋼管専業メーカーで、蒲郡(愛知県)と下妻(茨城県)両工場で計月間1万4000トンを生産。このうち、70―80%を日新のペンタイト(亜鉛めっき鋼板)、ガルタイト(亜鉛・アルミ5%めっき鋼板)、アルスター(アルミメッキ鋼板)などを材料とする表面処理鋼管が占めていることが特色。

 蒲郡工場は自動車、建材向けを中心に6基の造管機が稼働中で、自動車のドアインパクトビーム用の焼き入れ鋼管など高品質の機械構造用鋼管に強みを持っている。6基のうち4基の設備を更新の対象として検討を進めていく。

 下妻工場は93年7月に稼働した新鋭工場で、関東地区の鋼管供給拠点として建材用、機械構造用を中心に4基の造管機が稼働中で、このうち2基を対象に更新への検討を行う。

 造管機更新の検討は、品質の向上、スピードアップなど生産性の向上を目指したもので、溶接管価格の長期的回復が難しい見通しの中で、採算確保が期待できる製品へのシフトを進めていく。

 ZAMを素材とした鋼管は、日新の東予製造所の本格稼働前からユーザーにサンプル出荷など準備を進めてきたが、このほど第1弾として農ビ管「ZAM」を開発、販売を開始した。

 ZAMは亜鉛とアルミにマグネシウムを加えた新表面処理鋼板で、亜鉛めっき鋼板の10倍の耐食性を発揮しながら加工性などにも優れているという特色を持つ。農ビ管のほか、道路資材、プレハブ住宅の柱向けなどに販路開拓を進め、来年度中に月間5000トン程度の販売を確保していく考え。

 コスト面では2000年度までに274人の要員を不補充などにより57人減少される合理化策などに取り組んでいる。

 同社は98年度で83年の発足以来初めて5億円の経常赤字に陥ったが、99年度は売上高150億円で前年同期比4%増、経常利益も2000万円弱の黒字に転じ、大幅な改善を実現した。一連の企業強化策の実行を通して、収益基盤の長期安定化を目指す。



新 日本製鉄は28日、本社で定時株主総会を開催し、前年の562人を上回る590人が出席した。

 当期利益、中期連結経営計画、株主配当、取締役の人数などについての質問のほか、EI事業、今後の経営方針を含む12の質問が出され、1時間42分に及ぶ長時間の総会となった。

 新日鉄は3年前から総会の開催を29日の総会集中日ではない日を選んで行っており、株主が出席しやすい状況となっている。



神 戸製鋼所は28日、午前10時から神戸市中央区の神戸国際展示場2号館で第147回定時株主総会を開催した。総会には株主533人が出席、決算報告、損失処理案、取締役選任などの議案を承認、11時33分終了した。

 総会ではIPPの環境対策問題、配当などに関する質問が出されたが、昨年表面化した商法違反問題についての質問は出なかった。

 今回の株主総会は、多くの株主に出席してもらうよう、開催日を総会の集中する29日より1日早め、会場も収容力の大きい神戸国際展示場に移すなどの配慮をとった。そのためもあって、出席者は昨年の490人を上回り、所要時間も1時間15分から1時間33分へと増加、熱心な質疑応答が行われた。

住 金機工(本社=兵庫県尼崎市、中室光治社長)は企業基盤を強化することを目的に、ステンレス鋼製管継手、ハウジング形管継手など一連の新製品の拡販に着手した。中期的に年間売上高100億円規模の企業基盤を視野に入れて事業を展開する。

メ タックス(本社=大阪府貝塚市、臼井進社長)はこのほど、本社工場内に中細線用伸線機を導入した。これは、昨年から実施している生産工程のコスト低減および品質向上化策の一環で、付帯設備などを合わせた設備投資額は約4000万円。

 今回導入した伸鉄機はストレート型で、乾式伸線時に毎分最大1000メートルの高速伸線加工が可能。また、伸線釜の冷却にはナローギャップ方式を採用することで、冷却能力を向上させている。同社ではホース用硬鋼線の表面品質維持のために最終ダイスは湿式伸線方式を採用しているが、今回の伸鉄機導入によってね従来の約2倍の伸線速度を実現している。

 同社は、一昨年の合併時(旧南海泉州製線鋼索と旧イゲタ製綱)から本社・泉佐野両事業所の設備見直しを推進。昨年初めに5億円を投じて自動連続酸洗設備を導入したほか、めっき線合理化、伸線機のリプレースなどを実施している。同社ではここ数年、減価償却範囲内での設備投資を行っており、今期も前期同程度の3億―4億円を見込んでいる。

東 京地区の中板(3・2ミリ厚、ベースサイズ)は3万9000円どころ中心で弱含み横ばい。

 需給面は「輸出の好調が続き、国内がだぶつくということはない」(コイルセンター)とされるものの、東京地区では中板コイルの在庫が前月比25%増加した(東鉄連厚板部会、5月末)との統計も出ている。4月以降の販売が振るわないことが大きく、一部で安値売り込みがみられるようだ。安価な輸入コイルの入着もあり、「雰囲気的に弱気へ流れてしまった」(扱い筋)。

 ただ、「仕入れ価格から値段を下げられる状況ではない」(コイルセンター)ことから、仲間取引を中心とした相場は現状維持を図っている。

 需要は自動車関連が堅調、ただし購入集約による値下げ圧力は強い。在庫調整には時間がかかるため、市況は弱基調が続く見通し。