2000.12.08
パ リで開かれた経済協力開発機構(OECD)の第57回鉄鋼委員会では、鉄鋼通商問題で米側が一貫して米商務省リポートの記述内容を用い、「米国への鋼材輸入量の増大が米市場での価格下落を招き、米鉄鋼産業は危機的状況に追い込まれた」とする主張を繰り返し、米リポート、米国の姿勢の正当性を強調した。これに対し各国の反応は「輸入増がすべての要因ではなく、米鉄鋼業の過剰生産と競争力に問題がある」と反論、米側主張が支配的に進行することはなかった。また、アジア危機に端を発した世界の鉄鋼貿易摩擦の再発防止を念頭に、鉄鋼委による国別レビューを2、3年ごとに実施するほか、委員会への民間参加拡大、同委員会以外のOECD委員会との会議の設置―などで原則合意した。

 同委員会では各国の鉄鋼政策の報告、OECD統計の充実、同委の機能強化などを主要テーマに議論された。統計の充実については欧州連合(EU)での調整の遅れから、次回に改善する方向で再度協議することになった。また、席上、米側の主張に対する批判、反論が相次いだが、対米姿勢については、「米新政権の行く末を見極める必要がある」(EU)として、政策的な話し合いでは結論には至らなかった。なお、次回第58回鉄鋼委員会は来年5月28日、29日に開催されることも決まった。

関 東地区の小棒メーカーは今月中旬から販価を1000円引き上げ、2万8000円とする構えだ。すでに、一部のメーカーでは1000円の値上げに踏み切っている。「需給環境は引き続きタイトで、チャンスできる状況が整った。可能なところから、順次上げていく」(メーカー首脳)。年内にも2万8000円への移行が現実味を帯びてきた。「このままの状況をキープして、来年3月末までには3万円を実現したい」(同)という。

 朝日工業は「来週中にも1000円の値上げ。その前でも、上げられるところから上げていく」。伊藤製鉄所は「1000円の上げを検討している。具体的なことは、マーケットの実態を見極めたうえで決める」。合同製鉄は「状況をみたうえで値上げする」。東京鋼鉄は「12月帳端から1000円の値上げを検討している」。東京鉄鋼は「すでに一部は値上げしており、12月中旬からは全般的に1000円値上げする」。

 関東地区の小棒需給は引き続きタイトな状況。メーカー各社の大幅減産に伴い、契約残は2・5カ月から3カ月となっている。枠売りの見直し、部長以上に販売権限を限定したことなどもあって、価格は順調に上伸。「一部では2万8000円が通り始めた」(同)という。ゼネコン側もメーカーの値上げを徐々に受け入れ始めているうえ、市況暴騰を懸念する声も出始めている。

 細物メーカーも関東スチール、城南製鋼所などのデリバリーが窮屈になっているという。現状では細物のエキストラ確保が完全ではないが、早晩エキストラも適正化するものとみられる。

日 本高周波鋼業(前野定弘社長)は7日、新汎用プリハードン冷間工具鋼“RC55”の本格販売を開始したと発表した。各地区集中在庫形式で販売し在庫拠点は関東・東日本はカムス(KAMS)(千葉県市川市)を総代理店にし、各販売店および大手ユーザへ販売する。また、中京・関西地区は当面、メーカ在庫とし、今後販売店を絞り込む。

 プリハードン工具鋼は、素材の状態でメーカにより焼入れ焼戻し熱処理を実施し出荷されるため、ユーザーは直ちに金型を仕上げ加工し、熱処理不要の短納期・高精度金型を製作できる。

 しかし、熱処理後の高硬度化した金型材の切削は困難であったため、40HRC以下で使用されるプラスチック用金型等に用途が限定されていた。

 同社では工具鋼の機能革命の一環として、工具鋼の被削性改善に取り組み、高耐摩耗性冷間金型用鋼“KD11S”を開発し、従来のSKD11の2倍以上被削性で、自動車用をはじめ各種金型の加工コスト低減に貢献してきたが今回発売した“RC55”では、熱処理不要のプリハードン鋼としては最高の55HRCの高硬さで、従来の熱処理前加工に近い驚異的な被削性を実現し、汎用機での切削が可能なだけでなく、従来高硬度プリハードン鋼では困難とされていたドリル加工性も問題なく、実用的な「削れるプリハードン鋼」となっている。

 また、55HRCより高硬度が必要な特殊な金型として使用する際は、必要な部位だけをフレームハードすることで64HRC程度まで簡単に硬化し、従来のフレームハード鋼で問題とされている歪みの発生も極めて少なく、多様な使用方法も可能である。



建 築用アンカーボルトメーカー協議会はきょう8日、東京都千代田区丸の内の鉄道会館ルビーホールで設立総会を開催する。阪神大震災以来、国内では建築構造物の強度・安全性の確保や保証を求める声が高まりを受け、さまざまな製品の品質規格策定・普及が進められている。

 しかし、アンカーボルトは鋼構造建築物において、上部構造物と基礎コンクリートを接続する重要な部材とされながら、これまで的確な規格もなく、その定着方法についても明確な規定がない状態にあった。また、窓口となる業界組織もなかったことで、社会的ニーズへの対応も外部任せのまま、業界自体は参加できないという事態を余儀なくされていた。

 このような状況を受けて、業界の地位向上に向けての団体組織化への関心が高まり、発起人5社の呼びかけに応じる形で、今回、団体設立の運びとなったもの。

住 友金属工業は、連結対象155社の管理を今後、事業分野別に個別に実施する。従来は、一定基準で数値化し全体の社長会という形で伝達・管理していた。しかし、分野ごとに抱える課題が異なるため、個別折衝で対応することになった。

 11月末に下妻社長が最初のコンタクトを行っており、順次実施していく。経営目標や課題、収益基準などは分野ごとに設定し、より細やかに管理していく。「共同管理という形で、口も出すし、一緒に考えたい」(上田英一副社長)としている。

 同社は、99年9月に発表した経営改革プランで00年度には、経常で200億円の黒字を当面の経営目標に設定。同時にグループ経営の強化を打ち出している。そのために一定の基準で企業再編を実施することを決めている。

 このため連結企業に対しては、これまで以上に「口も手も出す」方向に転換。その対策として直接的に向かい合う形で、関与していく方針。これまでのような主要企業を集めた社長会は廃止し、新たに個別か事業分野別に数社の社長と面談する形のコンタクトに変更している。

 経営目標も一律的な設定ではなく、分野ごとに課題と経営目標を設定し、細やかに管理していく。連結企業155社も整理統合することを考慮しており、これにより連結ベースの収益改善を強化する。

韓 国のPOSCOは、自社技術で転炉の完全国産化に初めて成功した。光陽製鉄所内に導入したもので、約9カ月の据付期間を経て、11月15日から操業を開始した。

 今回の完全国産化で200億ウォン強の輸入費用の削減と年間52億ウォンのコスト削減が可能になった。POSCOは、今回の自社開発の転炉を将来自社製鉄所のすべてに導入する計画。

 POSCOの転炉は、従来はオーストラリアなどからの輸入部品を含め製造されていたが、光陽製鉄所での転炉導入を契機に完全自社開発を計画。98年までに設計を完了した。製造は、120億ウォンで韓国重工業に発注されていたもので、2月から据付工事を進めていた。

 開発に当たり炉命を延ばすため、炉殻の厚さをこれまでより5ミリ厚い80ミリに拡大。内側はクロム添加の鋼にして耐熱生と耐久性を向上させた。また、回転軸のある腰部分の長さを伸ばし、転炉が傾いてもバランスの保持が容易で、溶銑の流出の危険性を取り除いた。



東 京地区の等辺山形鋼は6×50で3万4000―3万5000円、溝形鋼は5×50×100で3万8000―3万9000円で高値に移行中。流通は3万6000円を唱えるなど転嫁値上げを進めており、一部品薄の在庫や11月後半以降の好調な荷動きを背景に上昇含みの展開。

 11月の販売量は10月比「5%減」(特約店)などと、営業日数が1、2日少なかったため、ほぼ10月並みの水準を維持した。

 在庫は溝形の100ミリが極端に薄く、山形の中間長さなども少ない。12月に入っても荷動きは堅調で、需給のタイト感は持続している。

 こうしたなか市況は高値寄りの展開で、山形で3万6000円が20%程度通るケースも出ている。メーカーは12月に続いて1月も追加値上げする方針を示しており、流通は年内にもう一段市況を底上げしたい意向で、当面は値上げ圧力が衰えそうにない情勢だ。