2001.09.12
兼 松は新中期経営計画(01―03年度)で鉄鋼・プラント事業を4つのコア事業の一つに位置付け、鉄鋼事業部門については鉄鋼貿易と鋳鍛造部品に特化した輸出事業を推進する方針を打ち出した。鉄鋼事業部門としては「連結ベースで全社の10%の売り上げと経常利益を稼ぎ出す」(楠井裕章取締役)計画で、今年度の連結ベースの売上高を前年度横ばいの約1000億円、経常利益を同50%増の15億円と見込み、経営計画の最終年度である03年度で売上高1100億円、経常利益23億円の達成を目指す。

 総合商社の鉄鋼事業は、トーメンが事実上撤退、丸紅と伊藤忠商事、三菱商事と日商岩井がそれぞれに製品部門の統合に踏み込むなど転換期を迎えている。こうした中、兼松は「取扱商品および市場別での選択と集中を進める」(同)ことで、本体での事業を継続する。

 同社は「経営基盤強化」「営業基盤の種まき」をメーンテーマとする構造改革計画を、1年前倒しで前年度までにほぼ完了。これを受けて4月に新3カ年経営計画をスタートさせた。

 新中計では「IT」「食糧」「ライフサイエンス」「鉄鋼・プラント」の4つのコア事業を柱に、最終年度である03年度に連結ベースの売上高を00年度比で8・4%減の1兆1000億円に絞り込み、一方で経常利益を同2・2倍増の230億円に引き上げる目標を掲げた。

 鉄鋼事業部門は、前年度までに商品およびマーケット別での商権の選択と集中を完了、鉄鋼貿易と鋳鍛造部品を2本柱と位置付けている。鉄鋼貿易は特殊鋼・ステンレス、表面処理鋼板を中心とした高級鋼、原料の3分野、鋳鍛造部品は自動車業界向けの輸出を中心とする。

住 友金属工業と住友商事は、三菱重工業からLNGタンカー用インバー鋼(36%Ni―fe)を初受注した。今回受注したのは、LNGタンカーの内張材で板厚0・5―8ミリメートルのコイルと切板400トン。住友金属直江津で製造、長崎造船所向けに出荷する。インバー鋼をLNGタンカーの内張材に採用するのは日本では三菱重工業が初めて。同社では、今回の受注を機に、年間10隻ペースで建造が計画されているLNG船向けに年間2隻の受注を目指す。

 インバー鋼は、熱膨張率がステンレス鋼の10分の1の特性をもち、同社では、この特性を生かしてLNGタンカーの内張材としての営業展開をしてきた。今回の受注は、溶接性改善技術や耐食性改善技術、独自のコイル直線度測定技術などが評価されたもの。

 数百万円の投資でCCDカメラを使ったコイル直線測定の品質保証技術を確立。詳細な仕様を決めたGTT規格をクリアする機械的性質や加工性に優れた材料開発の適正化を図ったことで、国内初の採用となった。

 住友金属直江津では、83年にインバー鋼の開発をスタート。現在は、月産400トンのインバー鋼を生産している。累計納入実績は、飛行機の翼金型や家電用バイメタル、一部ガス配管向けなどで4500トン。今後、LNG船用タンクなどをターゲットに本格的に受注拡大に取り組む方針。

新 日本製鉄は11月出荷分から、店売り厚板をトン当たり3000円値上げする方針を固めた。在庫調整が進展しつつあることや、下半期の厚板需要が堅調との見通しから判断したもので、悪化した市況の立て直しを行う。流通各社への浸透を図りながら「ていねいに値上げを進めていく」(厚板営業部)方針。

 店売り厚板は今年1月以降の中小規模の鉄骨、建機・産機を中心とした需要減に対して高炉メーカーの生産が過剰となり、市況下落を招いた。価格下落が収益悪化の要因となっており、下半期にかけて改善に取り組む。

 新日鉄は4月以降、店売り厚板について1―3月比20%の減産を表明。7―9月には追加減産を行うなど、需要見合いの生産体制を取りながら慎重に在庫調整の動向を見守ってきたが、ここにきて調整が進みつつあると認識している。

 今年度下半期の厚板需要については、造船や海外エネルギー関連のUO鋼管が堅調なほか、下期の発注が増える橋梁も季節的に増加要因となるとの見方。ただし、店売り厚板は10―12月も7月以降実施している1―3月比約30%の減産を継続。引き続き在庫調整を図りながら、着実に値上げを進める考え。

 同社の厚板値上げは、00年4月以来1年5カ月ぶり。店売り厚板ではすでに川崎製鉄が値上げを表明しており、高炉メーカー各社に値上げの動きが広がりそうだ。
東 洋鋼鈑(本社=東京都千代田区、田辺博一社長)は11日、自社開発したDNAチップ(商標「ジーンダイヤ」)に関して、8月6日に大塚製薬(本社=東京都千代田区、樋口達夫社長)と売買基本契約を締結したと発表した。これを受けて、大塚製薬は10月から継続的に「ジーンダイヤ」を販売し、これを用いたDNAの固定保存や、解析の受託サービスの提供などを行う。

 「ジーンダイヤ」は、東洋鋼鈑が広島国際大学の高橋浩二郎教授の協力を得て開発した、新しいタイプのダイヤモンド被覆シリコン基板。気相合成法によって被覆したダイヤモンド薄膜表面に特殊な化学処理を施すことで、DNAやタンパク質などの生体関連物質を強固かつ高密度に固定することが可能になる。

 DNAを保管するには従来、細胞の状態でマイナス80度の冷凍庫で保管しなければならなかった。「ジーンダイヤ」を用いた場合には、DNAを精製した状態で固定するので、特別な保管設備を必要とせず、家庭用の冷蔵庫でもDNAが変質することなく、長期間保管できる。

 使用例としては、ガンや肺炎などの患者のDNAを経時的に保管できる。また、罹患してから治療を進めるに従って変化していくDNAを調べることで、必要な治療や体質に合った薬剤を判断することが可能になると考えられている。

佐 々木製鑵工業(本社=兵庫県伊丹市東有岡、佐々木克義社長)は本社工場に最新鋭の超大型プレス(1万5000トンプレス、15メートルライン、川崎油工製)の導入を進めていたが、先月末に導入作業・試運転を完了、今月から本格稼働を開始した。新鋭設備では板厚が最大で100ミリ、外径が最大で1000ミリ強の大径丸型プレスコラムを自社で生産できる体制となり、コラムの生産能力も月間8000トンと従来に比べ30%増加した。ここ数年、首都圏を中心に超高層の建築物件が増加、柱には大径丸鋼管を使用したCFT構造の採用が定着しており、このニーズに対応するのが狙い。

 同社はこれまで、本社工場の大型油圧プレス4基(角型コラム=5000トンプレスの12・5メートルライン、2500トンプレスの9・5メートルライン、丸型コラム=3500トンプレスの9メートルライン、2500トンプレスの7メートルライン)を用い、角型のBCP「SKコラム」、丸型のプレスコラム「Tコラム」を生産。

 ここ最近のコラムの生産量は角型で月間3000―4000トン、丸型で同700―800トン、トータルで同4000―5000トン。ただ、従来は自社生産可能なサイズは厚みが最大で40ミリまでで、これ以上の厚みの大きい物は外注に出していた。

 そうした中で、首都圏を中心に大阪、名古屋など大都市で超高層の建築物件が増加、これらの物件の柱には丸鋼管をベースにしたCFT構造が採用され、特に、下層部では大径の丸鋼管の使用が定着している。将来的にもスーパーゼネコンが実用化を目指しているハイパービルにも大型のCFT構造の採用が確実視されている。

 こうした大型のCFT構造の拡大に対応するとともに、品ぞろえの充実化を図るため、最新鋭の超大型油圧プレスの導入を決めた。
神 戸製鋼所と関連会社のトランスニュークリア(東京都品川区、藤太社長)はこのほど、青森県六ケ所村に「青森テクニカルサービス」(長濱速雄社長)を設立、営業を開始した。同社は日本原燃が六ケ所村内に建設中の核燃料再処理関連施設の運転・保守・管理を行う。新会社の資本金は2000万円で、神鋼が75%、トランスニュークリアが25%出資した。

 神鋼とトランスニュークリアは、原子力関連設備の設計、製作、保守、管理などの分野で、国内外で多くの実績を有しており、今回の新会社設立、業務受注につながったもの。

 なお、トランスニュークリアは1984年設立、資本金8000万円で神鋼41%、トランスニュークリア・S・A29%、日商岩井20%、その他が出資している。事業としては原子力の平和利用を目的とした放射性物質の輸送、エンジニアリング事業などを行っている。

鉄 スクラップ取り扱い大手の島文(本社=神戸市灘区、島田文六社長)は新本社ビルの建設に着手する。10月25日に起工式を行い着工、3年後の完成を目指す。

 新本社ビルは事務所棟、商業棟、駐車場棟の3つの棟からなる総合ビルで、阪神淡路大地震で倒壊した本社ビルの跡地に建設する。事務所棟は地上16階地下1階で、14―16階を同社が使用し、1―13階はテナントとして貸し出す。商業棟は地上4階建てで専門店や飲食店が入る予定。最上階の4階には店舗のほかに屋外スペースを設ける。歩道に面する外装はガラス張りで吹き抜けの内部と合わせて明るい空間を演出する。また、駐車場棟は地上5階建てで200台を収容可能。敷地面積は6459・92平方メートル、建築面積は4340・9平方メートルで2004年10月完成の予定。

 完成後は加古川シマブンビル(兵庫県加古川市)に一時的に入居している本社部門を新本社ビルに移す。建設地周辺は震災で大打撃を受けたが、神戸市の主導で復興、集合住宅が多く建っており、同社では「周辺環境にも配慮し、地域の活性化の一翼を担いたい」と話している。

P OSCOは強度2倍、寿命2倍の超鉄鋼材の開発を進めているが、第一段階をこのほどクリアした。「ハイパー・21」と命名された次世代構造材開発は産業資源部が支援しており、60キログラム/ミリ級建築構造材と高窒素厚板の実用化にメドをつけた。これに続き第二段階として2007年までに80キログラム級の鋼板を開発する。全体の開発費は1000億ウォンに達する予定で、このうち政府が126億ウォンを支援している。

 ハイパー・21プロジェクトは橋梁,鉄道、道路などの社会資本投資に必要な超鉄鋼材の開発を目的としたもので、すでに日本などで研究が本格化している。

 開発プロジェクトは96年からスタート。POSCOが中心になって素材開発を担当。現代重工業が構造物の溶接加工および製作、浦項産業科学研究院が設計と施工を担当している。

 韓国でこれまで使用されている高強度材はクロム、モリブデン、ニッケルなどの合金元素を含んでいる。このため高コストであるとともに、リサイクル性でも問題があった。ハイパー・21は合金元素を大幅に減らし、低温で強い歪圧延を加えることにより結晶粒の微細化を進め高強度を実現する。

 POSCOは、8月初めに20ミリの板厚で63キロの強度を持った構造材の試作に成功した。これに続き来年には25ミリ厚のテストピースを製作する。最終的には2007年までに80キロ級の超鉄鋼材を開発する計画になっている。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万4000円中心の横ばい。在庫流通は今週から、3万4000円未満での販売をやめた。鉄骨単価の軟化や低調が続く荷動きなど、環境は必ずしも整っているとは言えない。しかし「もともと引き合いは最低レベル。販価を切り上げてもこれ以上減ることはない」(特約店)と、今回は各社とも強気だ。

 8月末在庫は、稼働日数の関係で微減にとどまったものの、流通は契約を最小限に絞っているため歯抜けも出ている。ベースサイズにも散見。在庫店は減産継続も追い風にして、逆ザヤとなっている市況の改善を目指す。

東 京地区の冷延薄板市況は弱含み。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万5000―4万6000円。

 コイルの余剰感が弱気につながっていることは当然だが、薄板全体で国内需要が減少傾向にある中、小売りの段階でも引き合いの乏しさが価格の低迷を招いている。また、熱延酸洗との価格差が縮小して、冷延の需要が取られやすい状態。

 輸入の冷延コイルは6月以降、5万トンを下回る低い水準にあり、国内価格が大きく落ちていることを示す。国内高炉は減産による在庫調整を進めるが、需要の減少により遅れが出ている。目先も需要の増加要因が見当たらないため、弱含みの展開が続く見通し。

大 阪地区の厚板市況は供給がタイト化してきていることもあって、流通は安値対応を回避してきている。市況は3万6000―3万7000円(トン当たり、12ミリ厚の3×6幅)どころで横ばい。

 輸入材は入着が低水準なうえ、国内メーカーは店売りの供給を絞っている。在庫は岸壁段階の輸入材が大幅に減少しており、特約店の定尺在庫も全体で適正な水準。位置簿の特約店では16、19ミリ厚の4×8サイズが品薄ぎみとなっている。

 需要は大きく回復していないが、比較的堅調。扱い業者では僚品の中板の値戻しを好材料としており、先行きは徐々に唱えを引き上げてくるものとみられる。