2003年11月12日
世界貿易機関(WTO)は10日、米国鉄鋼セーフガード(SG、緊急輸入制限)措置に関する上級委員会報告で、同措置はWTO協定違反とする「クロ」の最終決定を下した。

 日本、欧州連合(EU)などが唱えた同措置発動要件である輸入増加の事実認定が不適切な点や、輸入増と米国内産業が受けた損害との因果関係立証が不十分な点など、共同申立国側の主張がおおむね認められた形だ。

 この決定について中川昭一経済産業大臣は「高く評価できる」とした一方、今後、米側が違反措置を撤廃しない場合には「今月中に対抗措置内容をWTOに通報する」とし、対抗措置(金額で100億円強相当の見通し)に訴える方針で、措置撤廃を求めていく。

 日本が過去に対抗措置を発動したことはなく、発動されると初めての措置となる。





JFEスチールは、最近の急速なドル安円高を受けて、1ドル=100円も視野に入れた2004年度以降の鋼材輸出販売方針の策定に着手した。詳細はこれから詰めることになるが、方向性としては需要家の市場動向も精査した上で、鋼材の販売品種・向け先を選択し、より収益性の高いものにシフトしつつ、全体的な輸出価格を引き上げていくことになる。また従来通り、実需見合いの、価格重視の販売姿勢も継続する。





東京地区で一般形鋼を扱う流通筋は、今月から等辺山形鋼4万9000円、溝形鋼5万3000円に唱えを上げており、引き続き浸透に努める。荷動きの盛り上がりに欠け、市況は山形4万7000―4万8000円、溝形5万1000―5万2000円と一服感があるが、供給は当面抑制されるため、次第にタイト感が出てくる模様。今後の市況上伸が見込まれる。



セミトレーラーのバラ積み積載規制の見直しで、大阪地区を取り巻く鉄スクラップ物流に変化が生じている。特に、同地区の不足がちな鉄スクラップ供給を補ってきた北陸や名古屋などの「地方玉」が、実質上の積載規制がかかる陸送を避けて海上輸送に向いているといわれる。

 行き先は九州をはじめとする西日本地区。もちろん、こうした地域に堅調なスクラップ需要があるからだが、地方玉が大阪を越えて他地域に向かうこの現象を「大阪での鉄スクラップ物流の空洞化」ととらえる市中関係者も出てきた。





POSCOの調査会社、POSRIはこのほど、韓国の2004年の鋼材需要が03年見込み比3%増の6171万トンに拡大し、はじめて6000万トン台に乗せるとの見通しをまとめた。同社は国内需要が3・3%増の4807万トン、輸出が2%増の1363万トンにそれぞれ増加し、国内生産が4%増の5573万トン、輸入(半製品含む)は1・8%減の1561万トンになると予想している。