2004年07月22日(木)
 東京地区の酸洗鋼板市況が、高値寄りで推移している。熱延鋼板全体に需給タイト感が広がる中、酸洗はその中でもひっ迫感が強まっており、7月以降市中価格は7万円台に上昇、定着し始めた。自動車関連の堅調な需要が背景にあるようだ。東京製鉄が8月販売価格を4000円引き上げたことも、市況をさらに押し上げる要因になるとみられる。
 日本、韓国間で経済産業省、韓国・産業資源部や鉄鋼産業関係者が官民レベルで意見交換する「日韓官民鉄鋼対話」第5回会合がこのほど都内で開催された。ステンレス対日輸出急増とスクラップ輸出規制など通商関連事項や中国経済動向などを中心に議論。

 ステンレス対日輸出急増については、日本市場での需要増を要因に挙げ、安値輸出は行っていないと反論。そのうえで日韓貿易は韓国の入超と不均衡で、港湾手続き、流通慣行の不公正性など非関税障壁も多いと指摘、改善を自由貿易協定(FTA)に盛り込むことも求められた。

 スクラップ輸出規制では3月から義務付けしている輸出モニタリングは9月末までの限定措置とし「10月以降は行わない可能性もある」と報告。日本側はFTAでは慣行ではなく、規制などを取り上げるべきと答えた。この結果、各国間連携の重要性を唱え、同対話などを活用、協力していくことで一致した。
 日本鉄鋼連盟の三村明夫会長(新日本製鉄社長)は21日の定例会見で、政府が本年度の実質経済成長率を3・5%に上方修正したことについて「いまさらという感じだ。民間機関では5月ぐらいから3・4%、3・5%が一般的な状況。それと認識を同じにしたにすぎない」と上方修正は当然との認識を示した。また中国経済について「非常に難しい短期的な経済調整を見事にやり遂げた。これにより価格の下落や輸入の減など一時的な混乱はあったが、鋼材価格、フレート価格などが再度上昇に転じている。世界全体での経済の下ブレ懸念は見当たらない」との見通しを語った。
 東京地区の鉄スクラップ価格が続伸している。地場電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格は足元、指標品のH2(厚さ3ミリ以上6ミリ以下)で前週比1000円(4%)高のトン当たり2万2000円前後、高値で同2万4500円前後。本年最安値の6月末と比べトン当たり5000円前後(29・4%)上昇した。アジア市場の鉄スクラップ価格急騰が要因で、高炉、電炉各社ともに鉄スクラップ購入価格を引き上げている。
 住商鉄鋼販売(本社=東京都中央区、三木冶彦社長)は本年度、経営資源を収益性の高い事業に集中し、付加価値の高い独自商品の拡販を継続推進する方針。2005年3月期業績は、売上高が前期比7・3%増の1000億円、経常利益同50・9%増の8億円、当期利益同89・4%増の5億円と増収増益をめざす。