2004年08月16日(月)
 鋼板類の需給は厚板のひっ迫が起点となり、薄板コイルにもタイト感が波及してきた。とくに市場の品薄感は急拡大し、品種やサイズによる極端な市況高騰を招いている。下半期にかけて需給が緩和する要素は見当たらず、タイト状態はむしろ加速する気配。流通にとっても、仕入れ戦略が経営を大きく左右するだけに、輸入材を含めた供給サイドの動向を注視せざるを得ない。
 天然ガスパイプラインプロジェクトの増加を受けて、世界的にUOE大径管需要が急増している。これを背景に、国内高炉メーカーはUOE管輸出価格に関して、API規格・外径30―48インチをベース(スポット取引)に、X52程度のローグレード品がFOBで800ドル前後、X60以上のハイグレード品は同900ドル前後と、前年同期比で大幅増額となる数字でオファーしているが、さらなる上積みも視野に入れている。
 ステンレス専業メーカー4社の2004年4―6月期連結業績が13日までに出そろった。利益を公表していない高砂鉄工を除く3社が、すでに03年4―9月期を上回る利益を出した。ニッケルをはじめとするステンレス原料の価格高騰に対し、製品販価の先行した値上げが進んだうえ、期を通じて需要も底堅く、各社とも高操業をキープ、コストダウンを図れたため。4―6月期業績を受け、日本冶金工業、日本金属工業、日本金属の3社が4―9月期業績予想を大幅に上方修正した。
 韓国のPOSCOは先週末、タイの冷延ステンレスメーカー・タイノックスとホットステンレスの供給協定を締結したことを明らかにした。10月から本格的にホットステンレスの供給を開始する。

 POSCOは、中国を中心とした東南アジアのステンレス市場での供給態勢構築を進めている。この一環としてタイノックスには、買収を前提とした調査チームを派遣した経緯がある。タイノックスは、年間18万トン近くの冷延ステンレスを生産しているが、タイ国内や周辺諸国の需要拡大を背景に設備増強を検討している。ホットステンの購買基盤の強化は、冷延設備増強の前提となっている。
 経済産業省は13日、2004年6月分鉱工業生産動向(確報)を発表した。鉱工業指数(00年=100)は、生産が100・7(前月比1・3%減、前年同月比8・9%増)、出荷が103(同1・3%減、同8・4%増)とともに前月を下回った。

 鉄鋼は生産106・9(同0・1%増、同4・6%増)、出荷111・8(同1・5%減、同7・3%増)、在庫90(同2・1%減、同4・4%減)、在庫率82・8(同4・8%減、同10・3%減)。稼働率は106・7(同0・7%減、同2・8%増)、生産能力は96・6(同横ばい、同1・4%減)。