2004年08月17日(火)
 東京地区の鉄スクラップ市況は、反落が必至の情勢となってきた。輸出価格の下落および国内需給が緩和傾向にあるためで、反落すれば2カ月ぶりとなる。

 地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格は、指標品種のH2(厚さ3―6ミリ)でトン当たり2万8000円前後。東京湾岸の輸出成約価格はFASトン当たり2万4000円前後に下落しており、地区電炉の購入価格と比べ4000円前後(約14%)安い。海外鉄鋼メーカーの買い付け意欲鈍化が要因。6月以降一本調子で値上がりした地区電炉の購入価格は、今週中にも2万円台半ばまで下落する公算が大きい。
 住友商事が中国で工具鋼展開を拡大する。中国最大の金型材マーケットで日系自動車メーカーの進出が相次ぐ華南地区に今月、中国で2拠点目となる工具鋼の加工・熱処理、金型半製品販売拠点を設立。日系自動車メーカーに国内と同品質の金型材を現地供給する。総投資額は1000万ドル。住商は日系自動車メーカーの中国生産に連動し、大同特殊鋼と連携して各地区で金型材の現地供給態勢を構築する方針。大連、天津、武漢への展開も視野に入れる。中国での工具鋼販売量を現在の月間200トンから500トン(中国輸入材のシェア17%)に引き上げる。
 JFEスチールは全鉄粉製品を10月出荷分から全需要家向けに追加値上げする要請を始めた。4月出荷分から国内1トン4500円、輸出CIF50ドル値上げしたのに続く第2弾。今後の原料価格動向次第ではさらに追加の値上げもあり得るという。
 日本の鉄鋼メーカー、商社情報によると、中国のコークス輸出提示価格は1トンFOB250ドル前後に下落した。中国政府が7月末に輸出枠を拡大してから半月で20―30ドル低下して値ごろ感が出ている。原料高などで大きな値下がりは見込めないという見方が一般的だが、中国政府は需給に応じて輸出枠を柔軟に拡大する方針を示しており、輸出枠のひっ迫懸念がなくなったことで今後も価格はジリ安で推移する公算だ。
 油井管、ラインパイプでスタンダード規格を持つ、API(アメリカ石油協会)の高強度ラインパイプ検討委員会は、高強度鋼管であるX90、X100、X120の規格化に関する原案を策定した。早ければ2004年度中にも高強度鋼管の商業生産が可能になる新規格「44エディション」が承認、発行される。ただ、一方で、API委員会内では新しいAPI規格を、国際規格ISO3183と統合しようとする動きも出ており、今秋にも大勢が判明するようだ。