2004年10月28日(木)
 経済産業省は27日、2004年度第3四半期(10―12月)鉄鋼生産計画の集計結果を発表した。粗鋼生産量は2891万5000トン(前期比77万6000トン、2・8%増、前年同期比92万7000トン、3・3%増)で、同省策定の需要見通し2879万トンと比べ12万5000トン、0・4%上回る。能力的にフル生産が続く中で、おう盛な需要に対処するため前期より高炉は約24万トン、特殊鋼が約10万トンそれぞれ増加、電炉も夏季減産の反動などで約46万トン増える。

 高炉などは輸出向けを絞り、国内向けにシフトする傾向が一段と強まり、タイト感のある厚中板、めっき鋼板、鋼矢板などが増産となる。
 住友金属工業と住友商事は27日、中国・広東省に設立した自動車用鍛造クランクシャフトメーカー「恵州住金鍛造有限公司」にドイツの自動車部品メーカー、ティッセンクルップ・オートモーティブ(TKA)が事業参画することで合意に達したと発表した。TKAが住金の持分34%を取得する。現地で日系だけでなく、欧州系自動車メーカー向けの新ビジネスを取り込む。
 経済産業省はマレーシアとの自由貿易協定(FTA)を含む経済連携協定(EPA)締結に向け、鉱工業品分野のうち鉄鋼品目については、日本にとって関心の高い鉄鋼品目は同協定締結履行より前に前倒しした形での関税撤廃を求めていく方針だ。

 鉱工業品分野全体では例外を設けないことを基本に、競合しない鉄鋼品目の一部を切り出し、先行実施に移したい考えだ。また、マレーシアの関税免除制度、AP(輸入承認)制度など鉄鋼通商制度に関し、日本の商社、流通などで来月中旬までに改善を求める意見書をまとめ、日本商工会議所名で、マレーシア商工会議所に提出、事態打開をめざす。
 鉄鋼産業懇談会の宮本盛規会長(新日本製鉄副社長)は27日の懇談会後の定例会見において、「第3四半期(10―12月)の生産計画がまとまったが、粗鋼増産とともに普通鋼鋼材の輸出を抑制する計画となっており、ひっ迫する国内需要優先のスタンスを継続することが具体数値として表れた。

 ただし製造業向けの需要が引き続きおう盛なことに加えて、台風や地震などによる生産・物流の遅れ、さらに災害復旧用の緊急に対応すべき需要も発生しており、国内需給がひっ迫する状況に変わりはない」と述べるとともに、「メーカー、流通、需要家間の情報交換を徹底することで混乱を避けなければならない」と改めて強調した。
 大同特殊鋼は27日、日産自動車と共同で、強度・被削性に優れた破断分離型熱間鍛造コンロッド用鋼(特許9件申請中)を開発し、国内で初めて乗用車向けに量産規模で生産を開始したと発表した。9月発売の日産「ティーダ」搭載の新型HRエンジンに採用されたもので、現在、生産量は月間数十トン。2004年度中に数百トン規模に拡大する見込み。