2004年12月08日(水)
 需給タイト状態の続く厚板市場で、2極化現象が起こっている。造船、建機・産機の需要を受けて国内高炉の規格品や規格相当材は品薄が続く一方、それよりグレードの多少劣るとされる素材は輸入材の増加で需給が緩む可能性がある。市中の仕事量も伸び悩んでおり、大口需要分野と末端とで異なった市場が形成されているようだ。
 東京地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格は、需給に改善の兆しがみられず一段と値下がりした。地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格は、指標品のH2(厚さ3―6ミリ)でトン当たり2万1000―2万1500円前後。電炉最大手の東京製鉄は7日、鉄スクラップ購入価格をトン当たり500円値下げ(特級2万2000円)した。他電炉メーカーも買値を同幅値下げしたため、地区相場はさらに下落した。
 住友金属工業は先週までに、CNPC(中国石油天然気総公司)の購買窓口であるペトロチャイナとの間で、2005年度4―6月積みシームレス鋼管輸出価格が、対前期比40%アップで決着した。
 神戸製鋼所溶接カンパニー(藍田勲カンパニープレジデント)は、海外事業を拡大する。新規の拠点として欧州で炭素鋼用フラックスコアードワイヤ(FCW)、米国でもFCWの現地生産化を検討している。既存拠点では、中国の製造拠点が現在の月産約500トンから2005年末に約900トンに増加する見込み。タイでは旺盛な自動車需要を受けて来年にソリッドワイヤの設備を増強する。「1地域1拠点」を掲げ、各拠点で補完し合うグローバルな供給態勢を構築する。
 共英製鋼(本社=大阪市、高島秀一郎社長)は小棒を生産する枚方、山口、名古屋の3事業所で今月以降減産を強化、需給が改善されるまで10月対比で約30%の大幅減産を実施することになった。

 同社は小棒のトップメーカーだが、旧盆休み明け以降の低調な荷動き状況を勘案、他社に先立ち10月から減産を打ち出すとともに、引き合い減少に合わせるかたちで販売量を減らし、スリムな契約残に徹してきた。