2004年12月22日(水)
 日本鉄鋼連盟は21日、2004年度の全国粗鋼生産が03年度比約300万トン増の1億1400万トン程度に達し、05年度についても1億1400万トン程度を維持するとの見通しをまとめた。いずれも1973年度の1億2002万トンに次ぎ、74年度の1億1404万トンとほぼ並ぶ過去2番目の高水準となる。

 また05年度の普通鋼鋼材内需について、建設の減少を製造業の増加が吸収してトータルでは04年度見込み比微増となり、3年連続で増加すると予想。過去最高レベルの更新が続く特殊鋼鋼材内需も引き続き高水準で推移するとみている。
 日本鉄鋼連盟の三村明夫会長(新日本製鉄社長)は21日の定例会見で、足元の景況ついて「鉄鋼の目からみて景気の悪化といった状況は全くない」と述べ、堅調さを強調したうえで、来年も国内景気は引き続き回復基調をたどるとの見通しを明らかにした。

 来年1―3月の鉄鋼需給については「自動車が1年の中でも最高に生産される時期。マツダの工場火災事故などがあるが、従来通り高い自動車生産となるだろう。造船も建造ピッチは衰えず、むしろ前倒しで建造する動きにある」とし、「1―3月も需給は非常にタイトな状況が続く」との予測を示した。

 また需給がタイトな中での鉄鋼メーカーの対応について触れ、「緊急に必要とされるものは優先的にロールする、あるいは輸出を減らすなど、現在の能力の中で、最大限の努力をしていく」としたうえで、「新日鉄の場合、足元で名古屋製鉄所の酸洗ラインが稼働するほか、熱延ライン、厚板ラインの加熱炉の増強など各方面にわたる能力増強投資を実施している。来年上期には、一連の能力増強対策が戦力化する。他社も能力増に向けた取り組みを進めており、これらの効果が来年下期には表れ、相当程度、需給は正常化してくるだろう」との見通しを語った。
 経済産業省の2005年度鉄鋼技術関連予算は40億7600万円で04年度を15・3%上回った。環境、エネルギー分野に傾斜、超微細粒鋼などレアメタルを使わず鋼材特性を高め、省資源にも寄与する材料開発などを基軸に据えた予算編成。「環境調和型超微細粒鋼創製基盤技術開発」など5プロジェクトで生産設備の実機化、サンプル供給をめざすなど最終段階を迎える。

 難加工性特殊鋼などの次世代圧延技術開発など省エネ、リサイクル推進の「エネルギー使用合理化社会基盤材料関連技術」をはじめ5プロジェクトで前年度予算より増額となる。鉄鋼技術関連のほか製鉄所など複数事業体連携で省エネを図るエココンビナートなどの「エネルギー使用合理化事業者支援」も約50%増額で重点支援する。
 ジオスターは、21日開催の取締役会で、来年4月1日付(予定)で中部ジオスター(静岡県榛原郡)と関西ジオスター(和歌山県橋本市)の2製造子会社を設立することを決めた。設立理由は、「商品構成がここ数年大きく変化してきており、これに対応した製造態勢の改革が必要になっている。

 今回、製造子会社を新たに設立し、製造業務を一元的に集約することにより、商品構成変動への柔軟性を確保するとともに、生産コスト削減・品質の向上を図る」ため、としている。両社ともジオスターが100%出資する。
 世界鉄鋼協会(IISI)は20日、世界粗鋼が同日初めて10億トンに達したと発表した。1―11月で世界粗鋼は9億4520万トンに達しており、日産約280万トンのため、10億トンに達したと推定している。世界粗鋼は2003年実績が9億6830万トンだった。