2005年06月23日(木)
 薄板市況が修正安の局面を迎えた。厚板と同様に輸入材の増加と市場の荷動き低迷をきっかけに、東京地区では熱延、冷延とも6月に入り小刻みながら段階的に値を下げている。高炉メーカーの値上げ後のコイルを扱う流通としては値下げに応じられない姿勢だが、目先の反発材料が見当たらないため、価格維持が難しいとの厳しい見方が広がっている。
 神戸製鋼所は、アジア向けスチールコード用線材の本年下期積み(7―12月)の値上げ交渉で、トン100ドル上げでほぼ決着した。

 上期は200ドル上げており、輸出価格はトン950ドル強(C&F)に改善。ファスナー向けCH線材の05年度分の値上げは炭素鋼250ドル、合金鋼350ドルで4月に行い、輸出価格はそれぞれ800ドル強(同)、1000ドル強(同)に引き上げた。

 中国やタイではおう盛な自動車生産を受けて線材需給が極度にタイト化しており、神鋼は安定供給を確保するため採算を向上。需要家側も材料調達を優先し妥結した。
 財務省が22日発表した2005年5月分貿易統計(速報)によると、輸出は4兆7956億円(前年同月比1・4%増)、輸入が4兆4986億円(同18・6%増)となり、貿易バランスは2970億円(同68・3%減)の黒字となった。

 鉄鋼は全世界で輸出が279万8000トン(同2・4%減)、金額2554億3400万円(同29・1%増)、輸入が76万9337トン(同43%増)、735億7600万円(同46・5%増)で、輸入が数量、金額とも40%以上の増加となった。

 鉄鋼を国別にみると、輸出は米国向け、欧州連合(EU)向けは数量、金額とも10%以上の伸びを示したのに対し、アジア向けは中国向け、アジアNIES向けのマイナスによって数量は減少した。
 米国際貿易委員会(ITC)は21日、日本など8カ国製ステンレス薄板のアンチダンピング(AD)課税の措置後5年の見直し(サンセットレビュー)で、日本など6カ国のAD課税を継続すると最終決定した。英、仏両国は被害が再発する恐れがないとして撤廃を決めた。日本製で1・92―57・87%のAD課税が今後5年間継続することになる。
 韓国のPOSCOは22日、インドの一貫製鉄所新設と鉄鉱山開発の計画で、オリッサ州政府と覚書を交わしたと発表した。第1期工事で30億ドルを投じて年産300万トンの銑鋼一貫製鉄所を新設する。最終的には年産1200万トンに拡張する総額120億ドル規模の巨大計画。

 1期工事完了の2010年6月から年間300万トンのスラブを生産し、インド国内、韓国、東南アジア向けに販売する考えだ。