2005年09月15日(木)
 アジアの薄板汎用品市況が底入れし、反転の兆しが出ている。日本など主要メーカーの減産に加えて、欧米の需給改善、市況反転が影響している。熱延コイルは1トンC&F430―450ドルで底値感が出ており、10―12月積みで冷延コイルの提示価格を670―680ドルに50ドル程度引き上げる動きがある。

 日本の高炉メーカー、商社の見方ではアジアでなお調整余地はあるが、アジアに流入していたインド、ロシアなどの製品が欧米に回帰する流れのなかで、欧米に続いてアジア市況も上昇に向かう情勢だ。
 関東鉄源協同組合(理事長=渡辺淳・丸和商事社長)が14日に行った10月積みの鉄スクラップ輸出入札は、前月比150円(0・6%)高のFASトン2万3300円に値上がりした。落札数量は計1万1000トン。地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格(H2)と比べ2000円方割高なため、電炉買値、市中価格ともに騰勢を強める可能性が高い。
 世界の大手高炉の業績が好調に推移している。石炭・鉄鉱石など原料価格の急騰が収益圧迫要因となっているが、それを鋼材価格の引き上げで吸収し、海外大手5社の2005年上半期(1―6月)決算は増収増益となった。日本の高炉5社もこのほど05年度中間期(4―9月)連結業績予想を発表したが、そろって増収増益となる見通しだ。

 下半期については海外市場のスポット価格下落や生産調整による出荷減などの収益への影響が想定されるが、米・欧、アジアと続いて市況が反転し始めており、業績は堅調に推移することになりそうだ。
 中国のH形鋼市況が下押しで推移していることから、対日輸出が増える可能性が高まっている。H形鋼最大手の馬鞍山鋼鉄(安徽省)の9月の出荷額は、200×100×5・5×8ミリの場合、増値税込みで3264元(約4万4480円)。韓国や台湾へ400ドル台後半で輸出しており、2番手の莱蕪鋼鉄の価格は、さらに30―40ドル下回る。

 一方、日本メーカーの国内出荷額は7万円超。このため中国国内の需給が緩和するなか、今後、日本向け輸出を強化する可能性がある。
 日本鉄鋼連盟情報によると、米商務省は8月8日、日本など6カ国のアンチダンピング(AD)の措置後5年の見直し(サンセットレビュー)でAD税率を決定した。日本製は10・78―59・12%。調査は継続しており、米国際貿易委員会(ITC)が11月上旬に措置継続の是非を決める。