2007年05月10日(木)
 特殊鋼専業メーカー6社の2007年3月期連結決算は、好調な自動車生産と原材料価格高騰による鋼材などの販価上昇を映し、売上高で日立金属、大同特殊鋼、愛知製鋼、山陽特殊製鋼、三菱製鋼の5社が前年度に続き過去最高を更新した。

 これに対し、利益面は原料高騰が激しく、販価への転嫁が遅れたことや生産量が減少した企業もあり、日立を除く5社が経常段階で減益となった。年間配当は愛知、三菱が1円増配したが、その他は据え置いた。次期業績予想は、更なる販価是正などから全社が増収とした半面、経常益は日本高周波鋼業以外は微増もしくは減益と予想した。
 神戸製鋼所は9日、土壌中に含まれるヒ(砒)素を高効率で吸着・浄化する鉄粉を開発、商品化したと発表した。従来のヒ素吸着剤の浄化法と比較すると2倍の吸着力があり、希土類元素であるセリウムやランタンなどを用いた吸着剤より価格も半分以下。キロ数千円で販売する。

 サンプル出荷を始めた段階だが、半導体やガラスメーカー、汚水処理業者などに拡販、2―3年後をめどに年間1000トン程度を販売したい考え。この鉄粉はヒ素だけでなく、セレンや鉛、カドミウムなどの重金属汚染水の浄化にも効果があるという。
 丸一鋼管の中国子会社である「丸一金属制品(佛山)有限公司」は4月に、600万米ドルを増資、資本金を1800万米ドルとした。増資分については丸一鋼管は従来の出資比率に応じた引き受けを行い、増資後の出資比率は35%と変わらない。

 今回の増資は第2期設備投資が目的。第2期設備投資は工場建屋の増築、造管設備を1ライン増設し4ライン体制とするとともに、切断設備を設置する。投下金額は7億円以上となる見込みで、完成は来年3月ごろを予定している。
 東京地区の異形棒鋼市況は7万円乗せが目前となっている。足元の市況(ゼネコン向け商社販売価格)は、ベースサイズ(異形19ミリ)で前月比1000円高のトン6万7000円中心。

 小棒電炉メーカー各社は原燃料価格の上昇を踏まえて値上げしており、商社など流通業者の値上げも徐々に浸透している。一部6万8000円の高値も散見され、今後は大型物件の出件が見込まれており7万円乗せが視野に入ってきた。
 大阪の鉄スクラップ市況が昨年8月以来の下げ場面を迎えている。市中の先安観が強まった年明けに下げきれず、年初比約7000円高と高騰した地区内の鉄スクラップ価格だが、炉前在庫にめどが立ったメーカーが値下げに踏み切った。

 依然として在庫に不安を抱えるメーカーもあるが、「次はいつ下げ場面を迎えるかわからない状況。在庫レベルが低くても値下げに踏み切るのでは。下げ一巡へ向かう」(商社)との声も聞かれる。