2010年10月19日(火)
 東京製鉄は18日、11月契約分の鋼材店売り(一般流通)価格を、4カ月ぶりに全品種値下げした。下げ幅はトン3000―7000円。「円高により輸入の動きが活発したため」(大堀直人常務)、輸入材対策のため販価を引き下げた。今回の全面値下げは、出直し価格を設定するためとしており、鉄スクラップ価格の動向次第では、早ければ来月にも値上げするとの意向を示している。
 資源大手の英リオ・ティントと豪BHPビリトンは18日、西豪州の鉄鉱石生産合弁事業計画を断念すると発表した。欧州連合(EU)、日本など各国・地域の独占禁止法当局の承認を得られないと判断した。

 両社の統合と同様の競争制限が生じるとして、合弁事業計画に反対してきた日本鉄鋼連盟の林田英治会長(JFEスチール社長)は、両社の計画撤回を歓迎する声明を出した。世界鉄鋼協会など鉄鋼業界側は、既に寡占化した鉄鉱石供給のさらなる集中を阻止するよう当局に働きかけており、当局側も過度の集中による鉄鋼をはじめ、製造業、消費者への悪影響を認め、否認に傾いていた。
 住友金属工業は、2010年度上期において、排熱回収ボイラチューブの効率生産を図るため、和歌山製鉄所海南地区(小径管・東)の熱間仕上工程で設備投資を実施し、熱間仕上可能範囲を拡大した。

 これによって、長さ22・5メートルまでの超長尺品の製造に関して、冷間仕上工程を省略し、熱間仕上工程のみで製造が可能になったことから、コスト競争力が高まり、メーンユーザーである韓国のファブリケーター向けで受注伸長をめざす。投資額は約2億円。
 韓国のPOSCO経営研究所(POSRI)がまとめた見通しによると、2010年の韓国の鋼材見掛け消費量は前年比22・0%増の5537万8000トンと2年ぶりに増加する。自動車、造船の生産量が過去最高に達するなどの需要増を受けて、7月時点の見通しから285万トン上方修正した。需要は最高だった08年に及ばないが、鋼材生産は過去最高を更新する。

 10年は輸入超過ながら、能力増強による供給圧力が強まっている。11年は内需の伸びが鈍化し、10年ぶりの輸入超過に転じる見通しだ。
 米国の国際貿易委員会(ITC)はブラジル、カナダ、中国から輸入される建築用途で使われる鋳鋼品について、アンチダンピング(AD)措置後5年の見直し詳細調査(サンセットレビュー)に基づき、上乗せ関税が継続される見込みと15日発表した。