2010年4月20日

新日鉄エンジ、食品廃棄物からエタノール製造 国内初

 新日鉄エンジニアリング(本社=東京都品川区)は19日、食品廃棄物からバイオエタノールを製造する技術開発を完了し、自治体などに向けた営業を開始すると発表した。国内初の実用化。焼却処理に比べ、二酸化炭素量の排出を30―40%抑えることができ、エタノール販売による収益も得られることから、導入の総合的なメリットは大きいとする。

 北九州市で事業系・家庭系の食品廃棄物を1日約10トン(乾燥重量約2・9トン)を分別収集し、破砕選別、糖化、発酵、蒸留工程を経てJASO規格に適合するエタノールを日量約500リットル製造することを実証。エタノール以外にも約700キロの回収油(A重油相当)も製造し、焼却処理時の発電と比べて高いエネルギー収率を達成した。

 現在、年間約2000万トン排出される食品廃棄物のうち、約1700万トンがリサイクルされずに焼却処理されている。今回の技術は、約70万―100万キロリットルのエタノール製造の可能性を持つ。バイオマス資源のエタノールは石油に代わる新エネルギーとしての期待も高い。

 食品廃棄物エタノール化プラントは、採算性の観点から、人口40万人規模の都市に対応する日量60万トン規模以上を想定する。従来のゴミ処理施設に併設でき、初期投資は10億―20億円程度。