2010年8月20日

九州電力、超電導変圧器を開発 短絡性能・限流を実証

 九州電力は19日、イットリウム系超電導線材を使った超電導変圧器を開発し、短絡性能と限流機能を世界で初めて実証したと発表した。事故時に発生する短絡電流に耐え得る性能を実証。通常時は変圧器として使うが、事故時には事故電流と電圧低下を抑制する、限流動作も確認した。これらの実証により、限流機能付き超電導変圧器の実用化に向けて前進した。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託研究開発の一環で、九州電力のほか、国際超電導産業技術研究センター、フジクラ、昭和電線ケーブルシステム、九州大学による共同成果。電線メーカー2社はイットリウム系超電導線材の開発・製造を担当する。

 超電導変圧器は、内部コイルに使う巻線を、銅線から超電導線材に代替するもの。小型、高効率の変圧器を実現できると同時に、既存技術では困難とされる限流機能を付加できる。