2010年9月3日

AGCセラミックス、新炉材を開発 業界最高の耐用温度

 AGC旭硝子の耐火物製造子会社、AGCセラミックスは2日、新開発した工業炉用高断熱セラミックス炉材を10月に発売すると発表した。独自技術の特殊溶融セラミックス粒子を使い、業界最高の耐用温度を実現した炉材を、従来の不定形耐火物の代替材として提案する。エネルギーロスが従来材の半分に抑えられる省エネ性能を訴え、加熱炉の側壁などの断熱材として鉄鋼、非鉄金属、ガラス製造などの分野で採用を促し、2015年段階で売上高30億円をめざす。

 工業炉で主流の断熱レンガは、つなぎ目が高温で損傷し、熱が漏れる。一部の炉で採用されるファイバー系炉材も、高温による収縮で生じる亀裂から熱が漏れる。新開発した炉材は粉状の素材を水で溶かして一体成形が可能なため、つなぎ目からの熱漏れによるエネルギーロスが抑えられる。

 新たな炉材は断熱レンガ並みの1600度で使用可能で、断熱性は断熱レンガ、ファイバー系炉材と同等。収縮率は断熱レンガ並みに小さい。加熱炉などに使う不定形耐火物と比べた場合、エネルギーロスに相当する放散熱量は半分にとどまり、省エネ効果が高い。

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