2010年9月9日

古河電工、高屈曲の銅合金開発

 古河電気工業は、コルソン銅合金「EFCUBE(エフキューブ)―820」を開発した。ベリリウム銅やチタン銅に近い強度(ばね性)を持つほか、これまで課題とされてきた曲げ加工性も向上させたのが特長。端子コネクター分野では近年、軽量化や小型化の要求が高まっており、同分野での採用が期待できる。

 エフキューブ―820の引っ張り強度は800メガパスカル。従来のコルソン銅合金(730メガパスカル)を上回り、ベリリウム銅やチタン銅(900メガパスカル)に近づいた。また、チタン銅と同様に180度の折り曲げ加工(密着曲げ加工)もできる。

 ばね性と曲げ加工性を併せ持つ材料には、ベリリウム銅やチタン銅があるが、他の銅合金に比べ価格が高い。一方、従来のコルソン銅合金は、ベリリウム銅やチタン銅に比べ曲げ加工性が不十分で、古河電工も微量のクロムを添加したエフテック―98Sやエフテック―820を開発するなど、問題解決に向けた取り組みを進めてきた。エフキューブ―820のコストは従来のコルソン合金より「数%」(同社)高いが、ベリリウム銅やチタン銅は下回っており、コストパフォーマンスにも優れる。

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