2010年11月10日

東洋アルミ、無着色で高輝度実現 干渉色アルミ顔料を開発

 東洋アルミニウム(本社=大阪市中央区)はこのほど、着色顔料を一切使用しない干渉色アルミ顔料を開発した。従来品より輝度や彩度が増し、塗装下地の保護力と隠蔽性を向上させた。販売色は青や緑、ピンクなど8色。自動車分野だけでなく化粧品分野などの市場にも供給する。

 新製品「クロマシャイン」は、粉砕したアルミフレーク表面にシリカ(SiO2)層や金属粒子層などの被膜を施した顔料。色相はシリカ層の厚みを変えて調整する。シリカ層を薄くするとアルミフレークで反射する光と金属粒子層で反射する光が干渉し、青や紫色に見える。逆に層を厚くすると赤みを増す。

 見る角度によって色調が変わる干渉色を強めるため、光の乱反射効率に優れる金属粒子層をシリカ層の上に施した。化粧品分野では、表面処理により『コスミカラー』としてマニキュアなどに採用されている。「樹脂に混ぜれば射出成型向けのマスターバッチとしても使用できる」(斉藤満・開発販売部長)。

 塗料分野では、揮発油を使用しない環境配慮型の水性塗料に移行しているが、アルミフレークは水と反応しやすい性質のため、水性塗料には向かなかった。同製品はアルミフレークに被膜を密着させることで水性化にも対応している。

 アルミフレークは、パール塗装などで使用される雲母(マイカ)や微細ガラスと比べて光の反射効率が良く、下地に透過しないため、自動車ボディーなど外装用塗料としての需要が期待されている。