2010年12月28日

NEDOなど、ネオジム磁石製造でジスプロシウム40%削減に成功

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は24日、「希少金属代替材料開発プロジェクト」の一環として、インターメタリックス(佐川眞人社長)、東北大学らと共同開発してきた高性能磁石製造に必要なジスプロシウムについて、ネオジム焼結磁石の結晶粒子サイズを、ヘリウムガスを用いたジェットミルで微細化することで耐熱性保持力を向上させ、これによってジスプロシウムの使用量を約40%削減することに成功したと発表した。

 NEDOの中山亨電子・材料・ナノテクノロジー部長(元経済産業省非鉄金属課長)は「1982年にインターメタリックスの佐川社長がネオジム―鉄―ボロン系磁石の特許を取得した。NEDOは07年度から同社をはじめ東北大らと、5年計画でジスプロシウムの使用量を30%削減することを目標に取り組んできたが、今回それを1年前倒しで、しかも40%も削減することができた」と研究成果を披露した。同部長は今回の成果を踏まえ、同プロジェクトについて「さらに目標を高く設定する」との方針を示した。

 ネオジム磁石は現在、ハイブリッドカーのモーターやエアコンモーターなど高性能化に欠かせない最も強い永久磁石として位置づけられる。ネオジム磁石は耐熱性を向上させるためジスプロシウムを添加される。ネオジム磁石にはレアアース元素が約30%含まれ、NEDOはここ数年間、これらの使用量削減に取り組んできた。

 なお、同プロジェクトには東北大、山形大、物質・材料研究機構、日本原子力研究開発機構、三徳、インターメタリックス、TDK、トヨタ自動車の8機関が参加している。