2011年1月13日

産総研、高耐熱性の金属薄膜の作製技術を開発 1450度で酸化・窒化せず

 産業技術総合研究所はこのほど、耐熱性に優れた導電性金属薄膜の作製技術を開発した。

 高温環境下で使用される耐熱性の電極材料として、高温安定性や抵抗温度係数に優れた高融点金属が広く使用されている。ただ、薄膜電極として使用する場合、この高融点金属は酸化物の基板上で1000度を超える高温下で酸化または窒化されやすく、剥離やクラックが発生しやすいため、薄膜電極を作製することは困難だった。

 今回の発明では1450度という高温下でも、酸化物の基板上で酸化や窒化されず、剥離やクラックが発生しにくい薄膜電極を提供できる。適用分野は「高融点物質の熱伝導率測定用電極」「高温用電子デバイスの電極」「高温用MEMS電極」。

 単層の金属薄膜では困難となっていた高温環境下でも、白金族金属と高融点金属を積層し、加熱によって合金化し、今までにない耐酸化性、耐熱性を持った薄膜電極を提供できる。また、使用する金属が半導体プロセスに適用できる金属であることから、すでに用いられている量産機への適用も期待できるという。

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