2011年9月7日

和信産業子会社など3社、消熱波板を共同開発 熱交換塗料で輻射熱抑制

 薄板・厚板加工販売を行う和信産業の子会社で、環境リサイクル事業を手掛けるニュー・アースコンシャス(本社=千葉県浦安市港)はこのほど、太陽光による熱を遮断・消熱する「熱交換波板」を大和鋼業(本社=大阪市大正区)、ティフォー(本社=神奈川県平塚市)と共同開発し、販売を開始した。従来の反射型遮熱塗料と異なり、ヒートアイランド現象の原因となる輻射熱を抑制し、環境への負荷を緩和するなどの効果がある。温暖化や省エネ志向が高まる中、官公庁や協同組合、民間の工場向けに販路開拓を進める。

新製品・新技術 熱交換塗料「タフコート」は、アルバー工業が新たに開発した消熱塗料。太陽熱を運動エネルギーに変換し、塗料に含まれる熱交換分子が振動することで熱を消耗させる。熱交換波板は、この新型塗料を亜鉛めっき鋼板製波板など各種波板に塗付したもので、ニュー・アース社が受注から設計、取付工事まで手掛ける。通常の熱交換塗料の塗布工事も実施している。同社によると、一般的なカラー鋼板と熱交換塗料塗装部との室内温度差を測定した実験結果では、夏場の晴天時で最大6・4度を記録。日中の平均値としては4―5度の温度差が確認された。

 反射型遮熱塗料に比べて優れる点は、暑さ軽減のほかにも、メンテナンスフリーや冬場の暖房効率向上などが挙げられる。反射型は塗膜表面にセラミック類の材料を含むため、ほこりが蓄積しやすく、それにより反射効果も低下してしまうが、熱交換塗料は汚れの付着に関係なく効果を持続する。また、気温5―25度以下では熱交換分子が作用しないため、太陽熱を吸収せず、建屋内に通過させて室内を暖める。