2011年11月17日

神戸製鋼とKMCT、炭酸Ca堆積を抑制する銅合金管を開発

 神戸製鋼所はこのほど、グループのコベルコマテリアル銅管(本社=東京都新宿区)と共同で、ヒートポンプ式給湯器「エコキュート」用の耐炭酸カルシウム付着銅合金管を開発した。エコキュートの課題である配管内に炭酸カルシウムが堆積する現象を、従来の銅管の半分以下に抑制。メンテナンス頻度を抑えられるほか、銅管の細径化も可能になる。

 エコキュートは、ヒートポンプを利用した給湯器。夜間電力を利用した貯湯システムにより、ランニングコストがガス給湯器より安い。ただ、温めたお湯を90度の高温に保つ必要があり、水中のカルシウムが炭酸化して給湯銅管の内壁に堆積しやすい課題がある。

 炭酸カルシウムが堆積するとつまりの原因になるほか、熱交換効率も低下。水中のカルシウムが豊富な地域では短期間で配管を交換しなければならない場合もあり、銅管にはある程度の太さが求められる。

 開発したのは、リン脱酸銅に炭酸カルシウムの結晶化を抑制するリン、錫などを添加した合金管。焼鈍条件も工夫することで、銅管の内面に近くなるほど、リンと錫の濃度が高くなるようにした。 高濃度のカルシウム溶液を用いた堆積試験では、従来品と比べて堆積が半分以下。このため配管のメンテナンス頻度を抑えられ、細径化による銅使用量の削減も期待できる。