2011年11月18日

JFE環境、廃酸から亜鉛回収 リサイクル技術確立

 JFEエンジニアリングの100%子会社、JFE環境はこのほど、溶融亜鉛めっき工場の廃酸に含まれる亜鉛の90%以上を回収し、リサイクルする技術を国内で初めて開発した。

 溶融亜鉛めっき工場の廃酸(塩酸ベースを主として、亜鉛5―15%、鉄5―10%を含む)は、東日本地区だけで年間約1万トンが排出されている。廃酸は従来、その中に含まれる鉄と亜鉛を分離することが困難であるため、無害化処理を行った後、埋め立てなどで処分されていた。処分されていた亜鉛の量は、製品換算すると年間約2億円相当になる(東日本地区を対象に、製品価格をトン22万円として換算した場合)。

 JFE環境は、この廃酸を一定条件下で酸化させることで、亜鉛と鉄を安価で効率的に分離させることに成功した(特許2件出願中)。回収された亜鉛は亜鉛鉱石の代替物として、精錬メーカーに販売され、リサイクルされる。