2012年1月24日

協和電線、アルミ導体でリッツ線 銅より50%軽量化

 古河電気工業グループの電線メーカー、協和電線(本社=大阪市)は23日、アルミニウム導体のリッツ線(細いエナメル線を複数本撚り合わせた巻線の一種)を開発したと発表した。従来の銅リッツ線と比べて半分程度に軽量化でき、電気自動車(EV)の非接触給電用コイルなどへの採用を狙う。アルミ線に錫めっきを施しており、端末のはんだ付けも容易にした。

 新商品「KANZACC?ALC―fine・Litz77(カンザック・アルク・ファイン・リッツ77)」は、錫めっきアルミ線に絶縁皮膜をコーティングし、撚り合わせてリッツ線にしたもの。

 アルミの質量は銅の約3分の1。銅と同等の電気特性を得るには約1・5倍の太径化が必要なため、総じて軽量化効果はおよそ50%となる。アルミは通常表面が酸化皮膜に覆われており、はんだ付けしづらい素材だが、錫めっきで解決。絶縁皮膜も、はんだ付け時の熱で自然に除去できる材料を選んだ。これによって端末接続処理の時間が大幅に短縮し、コイル製作コストを低減できる。

 リッツ線は細線を撚り合わせた構造で、表皮効果による交流抵抗の増加を改善できる。表皮効果は、高周波電流を流すと電流が導体表面に集まり、電気抵抗が増す現象。この改善によって、導体温度上昇の抑制や、使用機器の効率化・小型化・省エネに寄与する。