2012年2月23日

古河スカイ、リチウムイオン電池集電体を開発 高容量化に対応

 古河スカイは22日、リチウムイオン二次電池集電体「ファスポーラス」を開発したと発表した。スポンジのような多孔体にすることで、従来のアルミ箔集電体に比べ単位面積当たりの容量を大きくでき、高容量化への対応が可能になった。近年、リチウムイオン二次電池の高容量化が進み、アルミ箔への性能要求も厳しくなっている。同社では今回の製品でこうした需要に応えたい考えだ。

 ファスポーラスは立体の中にたくさんの孔がある「三次元多孔体構造」。孔が占める割合は最大で95%になる。多孔体にすることで、表面積を従来より多く確保することができた。素材には良導電性の高純度アルミを多用しつつ、強度も保持している。

 リチウムイオン二次電池の正極は、電気をためる物質(活物質)とその働きを助ける導電助材、これら2つの材料を密着させるバインダーからなる。活物質と導電助材、バインダーを総称して合材層と呼ぶ。

 従来のアルミ箔を使用した電極では、活物質を有効に働かせるために合材層の厚みに限界があった。電池セル単位での容量を上げることにも限界があり、高容量の電池を得るには電極を積層する必要があった。古河スカイは合材層の保持力を高め、電池セル単位の容量を上げることが可能な構造を検討した結果、立体構造を採用した。