2012年3月29日

神戸製鋼・ダイヘン、亜鉛めっき鋼板の新溶接プロセス共同開発 欠陥極小化

 神戸製鋼所と溶接電源・機器メーカーのダイヘンは28日、亜鉛めっき鋼板の新しい溶接プロセス「J―Solution Zn」を開発したと発表した。溶接時の欠陥発生による手直しをなくし、スパッタ(火花)を従来比60%低減。自動車用鋼板の品質・生産性の向上、コスト低減など競争力強化に貢献する。

 自動車分野では亜鉛めっき鋼板の溶接性向上ニーズが高く、溶接時に発生するピットやブローホールと呼ばれる気孔欠陥の低減、アーク溶接時に飛散する金属粒であるスパッタ(火花)の抑制が課題だった。これまでは解決が難しく、気孔欠陥の手直しなどによる溶接能率の低下、コストアップ、作業環境悪化の要因となっていた。

 神鋼とダイヘンは溶接材料、溶接電源・機器メーカーの立場から技術を結集し、2010年度から共同開発を開始。基礎研究段階では大阪大・接合科学研究所の参画も受けながら、亜鉛めっき鋼板の溶接現象の可視化(見える化)など、徹底した解析を進めた。神鋼の溶接材料設計技術、ダイヘンの波形制御技術、シールドガスの組み合わせの最適化などによって、気孔欠陥の極小化と低スパッタの実現に成功した。