2012年5月11日

山陽特殊製鋼、新グレード軸受鋼開発 ベアリング、長寿命・小型化を実現

 山陽特殊製鋼は10日、軸受けの長寿命化や小型化を可能とする新グレードの軸受鋼「プレミアムジェイツー」を開発し、量産化技術を確立したと発表した。新たな製錬方法と評価検査技術の開発により、鋼中の非金属介在物の大きさと数を極限まで低減。汎用鋼種のSUJ2に比較して軸受けの寿命下限値が約3倍に改善(同社実験結果)を実現した。自動車のクランクシャフトなど重要部品に使われる軸受け向けをターゲットに、需要獲得につなげる。

 地球環境保護の視点から、自動車の燃費向上などを目的に部品の小型・軽量化が進む中、特に軸受けを小型化することは、周辺部品にも派生するため、自動車全体の軽量化に寄与するとして、ニーズが高まっている。

 新開発の軸受鋼は、約6年前に開発に着手。鋼中の有害な非金属介在物を極限まで低減する製錬技術の開発と、それら存在頻度の検査について、従来の顕微鏡による面評価ではなく超音波による体積評価で行うことで、測定する固体エリアが数10万倍にまで拡大した検査技術を確立した。

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