2012年5月14日

シーエムシー技術開発、レアメタル・レアアースのリサイクル設備開発 水熱処理法で大量回収

 シーエムシー技術開発(本社=岐阜県各務原市)はこのほど、超硬工具やネオジム磁石からタングステンやネオジムなどの希少金属や希土類を純度99%以上のリサイクル原料として回収できる設備を開発した。水熱処理法を活用することで大量回収が可能で環境にも優しく、希少資源の有効なリサイクルシステムとして注目を集めている。なお、本事業は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の希少金属代替・削減技術実用化開発助成事業に採択されている。

新製品・新技術 同社は、名古屋大学エコトピア研究所教授であった伊藤秀章・レアメタル再生資源総合研究所会長が研究開発した水熱処理法をベースとした技術に独自改良を加えることで、このほど新たなリサイクル設備の開発に成功した。

 新リサイクル設備では超硬工具やネオジム磁石を一定の大きさに粉砕または小型のものはそのままの状態で密閉容器に投入、150度以下の高温、高圧下で科学薬品を含有した水溶液と科学反応させることで、高純度酸化物として金属資源を高収率で回収することができる。

 ネオジム磁石の主要構成元素である鉄に関しても再資源化することができるほか、環境規制物質であるボロン(ほう素)も固体での回収が可能。そのため水熱処理後の廃水についても、環境基準値を下回る数値で排水できるなど廃棄物の発生を抑制し、環境負荷を低減している。

 金属資源の回収量は日当たり数十―100キログラムほどだが、同3トン程度までなら対応可能とのこと。また、要望があればさらに回収量が大きな設備の開発も検討する考えだ。リサイクル設備の設置費用は3000万―5000万円ほど。