2012年9月14日

JFEスチール、酸化防止被膜鋼板を開発 ホットプレスに参入

 JFEスチールは13日、自動車の構造骨格などに使われる超ハイテン対応を目的に、ホットプレス鋼板分野に参入すると発表した。燃費・環境規制の強化を背景に自動車メーカーが軽量化への取り組みを強める中、1500MPa(メガパスカル)級の超ハイテン部品製造のホットプレス工法は、車体重量低減の「キーポイント」技術の一つで、かねて自動車メーカーや部品メーカーなどから対応を求められていた。

新製品・新技術 開発したのはホットプレス用酸化防止被膜鋼板「JAG(JFE・アドバンスド・ガード)」。表面処理方法としては亜鉛ニッケル合金めっきを施している。製造は西日本製鉄所・福山地区のEGL(電気めっきライン)。

 ニッケルを添加することで融点の高い金属間化合物となるため、ホットプレス時に課題となる表面酸化を防ぎ、高い耐食性も維持する。またホットプレス時の高温加熱保持が不要で、通電加熱などの急速加熱にも適用できる。加熱時間は一般のホットプレス用鋼板が5―6分必要とされるのに対し、2―3分に短縮でき、急速加熱では10秒程度という。このためプレス工程でのストローク数の向上につながり、高い生産性が可能になる。自動車鋼板で技術提携を結ぶ独ティッセン・クルップ・スチールへの技術供与も検討している。

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