2012年12月13日

三菱日立製鉄機械、新マッシュシーム溶接機開発 接合強度向上 板厚6ミリまで対応

 三菱日立製鉄機械は、新連続冷間圧延システムにおいて、先行コイル尾端と後行コイル先端を接合する新マッシュシーム溶接機(CSW)を開発した。製鉄用プロセスラインの酸洗用溶接機や、自動車工場の溶接ラインにも適用できる。従来のマッシュシーム溶接機(MSW)では不可能だった接合率向上など、耐圧延性を強化するとともに、最大板厚6ミリまで対応するなど、大幅に性能をアップした。

 新マッシュシーム溶接機の特長として、大電流・高加圧力での溶接により、接合強度を向上させた。また、板厚6ミリまで対応が可能で、製鉄用プロセスラインでの酸洗用溶接機や、自動車工場の溶接ラインに適用できる。また、同社のクロス圧延技術を応用したクロススウェージングによる接合段差の平坦化を実現したことで、ロールへの疵が軽減され、製品歩留まりが向上し高強度材料にも適用できる。

 一方、他タイプの溶接機に比べてコンパクトで、更新上の制約がない。塵が発生することなく、クリーンな状態で溶接できる。精度管理する部品は少なく、メンテナンス性に優れ、ランニングコストも抑制できる―など、需要家メリットは多い。

 三菱日立製鉄機械は、広島事業所の新連続冷間圧延システム実証設備に、新マッシュシーム溶接機を導入しており、実証試験を終了した低炭素鋼以外の材料(高張力鋼、高炭素鋼)に関しても、溶接接合効果を確認している。