2013年1月29日

三機工業・新日鉄住金エンジ、データセンタ向け空調システム開発

 三機工業と新日鉄住金エンジニアリングは28日、データセンタ向けサーバ冷却技術として床下設置型局所空調システム「L―LAC」を共同開発したと発表した。

新製品・新技術 ITの急速な発展と普及に伴い、データセンタに設置されるIT機器(サーバ)は高密度化が進んでいる。従来はサーバラック当たりの電力供給量は2―4キロボルトアンペアだったが、近年では6―10キロボルトアンペアになり、さらに局所的に30キロボルトアンペア以上の検討も始まっている。IT機器の消費電力や発熱量も増加傾向が予想され、高効率な冷却技術の開発が急務。またサーバルーム全域の気流や温度の分布予測と、実測に基づく効率的運用管理が重要視されている。

 共同開発したL―LACは、高密度サーバを搭載したラックの直下に設置し、下吹空調機と併用運転でサーバを冷却するコンパクトな局所空調システム。L―LAC本体は冷却コイル、ファンユニット、サーバ排熱を戻すキャンバスダクトで構成される。床下に設置するため、サーバラックのスペースを減少させず、また高密度サーバの配置に合わせて、フレキシブルに局所で対応することが可能だ。

 下吹空調機とL―LAC本体が排熱処理を全体と局所で分担するため、熱だまりを解消することができる。これによって、全体の供給風量を増加させることなく、効率的にサーバラック回りの熱環境を改善できる。また空調搬送動力を最大で50%程度低減するなど、省エネルギー性に優れ、継手を極力減らすなど漏水に関するリスク対策も講じている。

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