2010年6月28日

半製品・薄板、輸出価格回復も物量減

 アジアの半製品・薄板マーケットが混沌としている。韓国POSCOの値上げ、中国の輸出増値税還付の撤廃などにより、価格に回復気配が出る一方、中国・韓国の在庫調整などもあって、数量的には減少が見込まれているためだ。7―9月積みの輸出商談は、先週末までは多くのケースでなお様子見が続いている。

 商社筋は「高炉原料価格の上昇を考えれば、短期調整の後、(市況)上昇に向かうことになるのだろうが、物量がいつ回復するかは分からない」と困惑気味。国内需要の低迷の中、好調な外需を支えに、薄板などの鉄鋼生産を回復させた高炉メーカーだが、7―9月期はホットコイルを中心に、スラブや薄板の輸出量減少は避けられないもようで、中には8月から薄板の調整減産を行う検討に入ったメーカーもあるようだ。