2011年2月7日

高炉5社、生産回復も環境厳しく 10-12月期軒並み減益

 高炉メーカーの2010年4―12月期決算が4日出そろい、5社ともに連結経常損益は大幅に改善したが、新日本製鉄、住友金属工業、JFEホールディングスの3社が11年3月期の連結経常利益予想をそれぞれ300億円、400億円、500億円下方修正した。10―12月期は内外市況軟化で軒並み前期比減益となり、1―3月期は原料炭産地の豪州北東部の洪水影響などで跳ね上がった原料コストの、鋼材価格への転嫁が追いつかない。

 神戸製鋼所、日新製鋼は3月期の経常利益予想を800億円、180億円でそれぞれ据え置いたが、大手3社と同様に、1―3月期の鉄鋼事業収益は悪化する。各社ともに生産レベルはリーマン・ショック前の9割以上に回復するが、利益水準は4割未満にとどまる見通し。原料高やアジア市場の競争激化など、市場構造の変化が背景にあり、円高も続く中、高炉業界にとっては厳しい経営環境がしばらく続きそうだ。