2011年3月11日

韓国・大手電炉、日本の鉄スクラップ市場は「買い場」

 韓国の大手電炉メーカーは、直近の日本鉄スクラップ市場の軟化を一時的なものと見ており、反騰前に一定量を契約したいとの意向が強い。特にアメリカ東海岸積み価格の反騰とトルコの契約再開を先高のシグナルと判断しており、H2で4万円(FOB)以下の日本市場の現状を「買い場」と見ている。

 韓国の鉄スクラップ市場は、このところ価格停滞から集荷量が低下している。ヤード業者の在庫水準は低い。特に今週末の買値引下げのアナウンスが効いて相当量が前倒し出荷されたようだ。これを受け、現代製鉄や東国製鋼の仁川、唐津、浦項3工場のスクラップ在庫は比較的潤沢。嶺南地区の中規模電炉はやや水準が低いとの情報もあるが、当面の必要量は確保できている。また3月の輸入スクラップも、アメリカ産カーゴを中心に日本、ロシア産とほぼ70万トン強を確保しており、3月分は目処がついた。これに対し、韓国内ヤード業者の出荷余力は低下している。

 例年厳しい対応となっているのが4月で、特に日本市場で5月連休対策から電炉が多めに在庫を積みますため韓国電炉は、輸入契約のタイミングが難しいといわれている。

 こうした中での日本市場の軟化は、4月対策前の買い場と映っている。

 海外市場では、今週に入り、フィラデルフィア、ピッツバーグ、シカゴなどの東部地区でコンポジットプライスが前週比3・34ドル上昇といつた情報も韓国市場には伝わっている。背景にイシダスなどのトルコメーカーの買いの動きも過剰に伝わっており、ザワついている。このため日本市場からのH2=3万8000円(FOB)前後のオファーは電炉各社ともに触手が動くようだ。

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