2011年3月16日

特殊鋼生産、減速も 自動車操業停止が影響

 東日本大震災の影響を受けた自動車メーカー各社の工場操業停止によって、特殊鋼メーカーの生産が減速する可能性が出てきた。すでに一部特殊鋼メーカーが減産に向かっている。今後、東京電力による計画停電の影響も見込まれ、関東に工場を構える特殊鋼メーカーでは、生産計画を見直す可能性を示している。1月にリーマン・ショック後の過去最高となるなど、自動車向け中心に堅調に推移してきた特殊鋼鋼材だが、不測の事態に生産の調整を迫られそうだ。

 トヨタが16日まで本社・グループの国内全完成車工場の操業を停止する。17日以降は未定。被災したセントラル自動車宮城工場と関東自動車工業岩手工場は合計年間約60万台を生産するが、復旧のめどが立っていない。日産は栃木工場の復旧が鋳造で3週間、車軸で1週間要する可能性がある。追浜埠頭の倉庫が一部損壊。16日まで全生産工場の停止を決めた。

 ホンダは栃木製作所の生産設備の損壊が激しく生産不能の状態。栃木に調達部門があり、部品メーカーの状況を把握できないため、部品供給の影響から埼玉、浜松の両製作所の生産も止めた。各自動車は、東北に工場を持つ部品メーカーが震災や停電などによって生産を停止する影響も考慮している。

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