2011年3月18日

鉄鋼業にも影響 福島第1原発の放射性物質漏出

 東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所の放射性物質漏出の影響が、鉄鋼業界にも及び始めている。流通業界では、同原発から30キロ超に位置するノボル鋼鉄テクニカルセンター(南相馬市)は、社員が県外避難と自宅待機で分かれている。

 西山鋼業の福島工場では、従業員の安全を最優先に考慮し、全従業員の出勤を停止。同原発から約40キロに位置しているが、半径20キロ圏内に含まれるいわき市から通勤している従業員もおり、家族と一緒に避難している状況という。

 マテックスの福島工場では、事務所の従業員が任意で出社し、輪番で対応にあたっている。製造現場の従業員には自宅待機を命じ、営業生産を停止している。福島工場は総勢24人。同原発から50数キロ離れている。

 根津鋼材は須賀川事業所と長沼事業所(ともに須賀川市)で、幹部社員だけ出社し、一般社員には自宅待機を指示。両拠点は同原発から約60キロの距離。

 佐藤商事の福島支店(田村市)でも、全員が出社を見送っており、営業や工場の稼働を停止している。当面は日ごとに状況を見ながら、今後の対応を決めていく。

 同原発から50キロ程度離れている特殊鋼流通では、避難していないものの即時退避できるように準備している。

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