2011年3月22日

東北ファブ、資材加工需要出だす JR・プレハブ住宅向け

 東北の鉄構業者に、震災復旧用資材の加工需要が出始めてきた。JR東日本が湾曲した鉄道レールを修復する矯正板の厚板加工の緊急発注を検討。避難者用のプレハブ住宅が、東北で3万戸以上必要とされ、鉄構業者にJR東日本やプレハブメーカーが対応を要請している。ライフライン確保に向けた復旧工事が本格化する見込みだが、鉄構業者では鋼材の確保に苦心しており、物流の回復が急がれている。

 JR東日本では矯正板1万7000枚を必要とし、厚板(SS400、0・9―19ミリ厚)で10タイプ(各1700枚)をそろえる必要があり、複数の鉄構業者に加工可能量を問い合わせてきている。鉄構業者では商社やシャーリング業者に材料支給を求め、対応可能な数量をJR側に伝えている。

 プレハブメーカーは、以前から取引のある鉄骨加工業者に、プレハブ住宅用の軽量鉄骨の加工を打診。岩手県で8000戸など大量発注となり、複数の加工業者が応じる見通し。軽量形鋼を加工して柱や梁の部品を製作し、現場で組み立てる。正式な発注はこれからだが、近く加工業者の割り当てが決まる見込み。震災の影響でビル建築が延期されるなど需要が減る中、鉄構業者は復旧工事の対応に取り組む。