2011年3月22日

経産省、代替生産を後押し

 経済産業省は、東日本大震災の影響で操業を停止した鉄鋼メーカーの、代替生産が円滑に進むよう後押しする。主に自動車部品に使用される特殊鋼は、緊急的な対応が求められており、鉄鋼のサプライチェーンが途切れないよう、官民が連携して取り組む。すでに一部対象企業と協議に入っており、独占禁止法に抵触する範囲を明示するなど、引受先のメーカーを含めて支援する。

 JFE条鋼仙台製造所など、震災で操業を停止した鉄鋼メーカーでは、代替生産をグループ企業に要請。製造可能品種の点で対応できないケースもあり、グループ外のメーカーにも協力を代診している。ただ、海外の自動車生産の水準が高いため、特殊鋼メーカー各社はほぼフル操業を継続。受け入れる余裕がなく、一方で技術ノウハウの供与が必要となるため、要請側と引受側とで協議が難航する可能性がある。

 代替対応の遅れによって、自動車など需要家への影響が懸念されるため、経産省は対象企業と調整を図り、代替生産が進むよう努める考え。