2011年8月22日

特殊鋼、生産ピッチ上昇 車向け対応急ぐ

 特殊鋼メーカー各社は、自動車生産が急回復する下期に向けて、生産ピッチを上げている。2011年度下期の完成車生産台数は、前年同期比30%超となる550万台が確実視される中、大同特殊鋼は下期の出荷数量見込みを、上期比10%増の66万2000トンと策定、愛知製鋼は下期粗鋼生産を10―15%増の月間12万トンに引き上げる。日立金属、山陽特殊製鋼なども自動車向け対応を急いでいる。

 特殊鋼棒線はひも付きと店売り向けの需給に温度差があるが、ひも付きはひっ迫する可能性が極めて高い。節電との兼ね合いから時間帯によって操業度を落とさざるを得ないこともあり、今後は稼働時間の延長などが焦点になってきそうだ。