2011年10月20日

鉄鋼各社、輸出に影響=タイ洪水 加工拠点で被害

 タイの洪水で現地の自動車・電機向けなどの鋼材需要が減少し、日本からの鋼材や半製品輸出にも影響が出始めている。

 新日本製鉄やJFEスチールなど高炉メーカーの鋼板、鋼管など現地製造拠点は南部に集中するため直接的な影響は出ていないが、コイルセンターや部品加工拠点では設備被害が発生。また部品メーカーの操業停止によるサプライチェーン寸断や自動車などのアセンブリー工場自体の操業停止によって鋼材需要が停滞、周辺各国にも波及しつつあり、高炉や商社は日本からの船積みを見合わせるなど出荷調整を余儀なくされている。そもそもアジア市況軟化と円高による採算悪化で輸出減が見込まれているだけに、鉄鋼各社は頭を痛めている。