2011年11月16日

日新・日金工、来年10月めどに統合 検討開始を正式発表

 日新製鋼とステンレス専業メーカーの日本金属工業は15日、2012年10月1日をめどに経営統合に向けて検討を開始することに合意したと発表した。共同株式移転の方法により持ち株会社を設立し、両社はその完全子会社として傘下に入る。この結果、両社は上場廃止となり、完全親会社となる共同持ち株会社が新規上場申請を行う予定。

 内需が低迷する中、伸びるグローバル市場で成長するための技術・設備など、経営資源の統合シナジーを追求し、国際競争力を高めて生き残りを図る。統合による年間のステンレス粗鋼生産能力は約100万トンと、国内最大手・新日鉄住金ステンレスに匹敵する規模となり、冷延鋼板では35%(2010年度)のシェアを握る最大手となる。本紙既報の通り、両社は統合の検討開始に向けた協議を重ね、今回の正式発表に至った。

 両社は統合を通じて、ステンレス総合力ナンバーワンメーカーの地位を確立し、グローバル・ステンレストップメーカーへの飛躍を目指すための目標として、次の項目に取り組む方針を示した。

 ①両社の最終製品と生産ラインの特性を踏まえて、最適な生産体制の組み合わせを構築し、効率的な設備投資による圧倒的なコスト競争力を実現する②ひも付き販売分野を得意とする日新と店売り市場で定評のある日金工など、販売体制や販売ネットワークの組み合わせによる顧客ニーズ対応、ブランド価値向上③有形・無形の経営資源を最大限活用し、両社の技術力と開発力を結集④原料購入におけるボリュームメリットの追求⑤両社の海外ネットワークを活かした需要捕捉とグローバル化や海外生産移行への対応――など。

日新製鋼の三喜俊典社長と日本金属工業の義村博社長の会見要旨。

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