2012年1月23日

海外鉄鋼市場が転換点 市況に上昇気配

 海外鉄鋼市場が転換点を迎えている。新興国のインフレ懸念やタイ洪水の影響などが解消されつつある中、世界の多くの国で中央銀行が金融緩和に動くなど景気浮揚策が台頭。中国、韓国の能力増強による供給圧力で低迷を続けていた国際鋼材市況に反発、上昇気配が急速に強まっている。

 新日本製鉄は薄板3品に関し、既に1―2月出荷商談から価格改善を進めていたが、3月出荷からさらに、熱延鋼板で50―70ドル、冷延・表面処理鋼板で70―80ドルの値上げ商談を進めており、価格改善をより本格化させる。市況を底とみた需要家からは、契約期間の長期化、発注量の増量などの要請が寄せられているという。ただ新日鉄は新規引き合いのオファーストップの実施、実需見合いへの発注変更などを求めている。